中国は2022年末までに5G基地局を200万カ所整備
中国・工業情報化部の田玉竜報道官は2月28日、国務院の工業化および情報化促進などに関するブリーフィングで、中国の第5世代移動通信システム(5G)基地局につき、2022年に新たに60万カ所以上整備する目標を明らかにした。同年末の累計設置数は200万カ所に達すると見込む。企業の工場集積地、工業園区、高速鉄道、交通ハブ、ショッピングセンターなどでの整備を強化する。また、インダストリアルインターネット(注)、医療・ヘルスケア、スマート教育、農業、観光などの分野で5Gのさらなる活用も図るとしている。なお、中国は2021年に5G基地局を65万4,000カ所新設し、同年末の累計設置数は142万5,000カ所に到達、同年末の5G接続携帯電話端末数は5億2,000万台に達した。
車載半導体不足は改善傾向も、供給確保に向けさらなる対応方針示す
工業情報化部の辛国斌副部長は同ブリーフィングで、車載半導体の供給不足問題について発言した。中国での不足状況は徐々に改善してきているものの、自動車完成車メーカーや自動車部品メーカーの需要、生産計画からすると、まだ一定数が不足している、と指摘した。ただし、世界の主要な集積回路(IC)チップのメーカーや、一部国内メーカーによるICチップの供給力向上を受けて、車載半導体の供給状況は引き続き好転していくと予測した。
工業情報化部としても、過去の取り組みを基礎として(2021年3月1日記事参照)、チップの生産・供給の情報配信ルートを整備すべく、オンラインのマッチングプラットフォームを構築し、産業チェーン間の協力メカニズムを改善する。また、自動車完成車メーカー、自動車部品メーカー、ICチップのメーカー間のさらなる協力・調整を促し、国内での供給を安定させる方針などを示した。さらに、グローバルなICチップメーカーの中国市場への供給増加、中国内での生産拡大を加速するよう促すともした。
中国の1月の自動車販売台数は、前年同月比0.9%増の253万1,000台となり、2021年4月以来9カ月ぶりに前年同月との比較で増加に転じていた(2022年2月22日記事参照)。今後も販売増加を維持するためには、車載半導体の安定した供給が不可欠となる。
(注)産業機器のIoT(モノのインターネット)化を進めてモノ・データ・人を結び付け、生産効率や品質管理の向上を目指すこと。
(宗金建志)