古河電工、銅条加工賃引き上げ交渉開始。電力・物流費などコスト増で
古河電工はこのほど、銅条製品の加工賃引き上げ交渉を開始した。電力などのエネルギーや設備、物流費などのコスト上昇に対応するため。現在、各顧客との交渉を行っており、値上げの可否や時期、上げ幅などを検討しているという。 伸銅品の価格は通常、主に原材料価格+加工賃によって決定される。原材料価格のうち、銅地金の部分は銅地金の建値と連動しており、仮に建値が上昇すれば伸銅品価格も上がることが多い。一方、添加剤などのその他原材料や加工賃は固定されているケースが多く、交渉による価格改定を通じて、状況に合わせて価格を設定するのが通例だ。 銅条の製造時には、圧延工程などで電気などが使用されるほか、添加剤やめっき材などを使うこともある。いずれのコストも、資源価格の上昇などにより増加傾向にあり、伸銅品業界では利幅圧縮が課題となっていた。 大手銅条メーカーでは、三菱マテリアルが加工賃引き上げ交渉を開始したことを業界に先駆けて発表。今後、値上げの動きが業界全体にまで広がるかに注目が集まっていた。