【グローバルリーダーの育て方】新たな就業規則に青ざめた先生たち 働き方は教え方に通ずる (1/3ページ) - SankeiBiz(サンケイビズ):自分を磨く経済情報サイト
従業員に提示した「信じられない」就業規則
私たちが運営するGGインターナショナルスクール では、毎年4月にAll Employee Meeting(全体会議)を行っています。この時期に新しい配属になるため、また新しく参画する教員との交流の意味もあります。しかし、コロナの影響で今年の全体会議は延期されたままでした。団体の理念や価値観を共有し、議論する場はとても大事だと考えているため、「いつになったらできるかな…」と心配していました。
緊急事態宣言が解除され、国からイベント開催の“お許し”も出たため、先日晴れて全体会議をおこないました。その会議で私は、スクールの経営者として、新たな就業規則や方針を発表しました。
新たな就業規則・方針
1.教室内への携帯持ち込み禁止
数カ月前よりwifiに新しい機能をつけた。仕事と関係なさそうな内容をインターネットで閲覧した場合、AIが判定してアラートが発せられる仕組みになった。数カ月間データ収集し分析した結果、業務中に個人の携帯電話の使用は生産性が下がると判断したため
2.業務に関係ない時間をタイマーで計る
在宅勤務中や出勤中を問わず、トイレの時間や飲み物を飲んだ時間など、業務に関係ない時間はすべて休憩時間とみなす=勤務時間としてみなさない
3.いっさいの私語を禁止する
業務に関係ない時間はすべて休憩時間とみなす
青ざめる従業員たち
新しい規則を発表している間、従業員の顔が徐々に青ざめていきました。「ついに、社長もおかしくなってしまった」「この会社は、終わった」という驚きと諦めの表情が忘れられません。
規則を発表した後、従業員の間でグループをつくり話し合ってもらいました。
従業員たちが、「本当にこの規則を設けるのだろうか…」と半信半疑で、テンションも低いままグループワークに取り掛かって5分程度が経過したところで…ネタ明かし。
「Tricked Ya~.」(日本語だと「ウソぴょーん!」)
「ネット使用内容を判断する機能付きwifi」なんていうものはありませんし、携帯電話は業務上、連絡帳アプリなどを使用するため必要です。トイレに行くたびに時間を計ることはしませんし、もちろん私語も許されます。GGインターナショナルスクールは、いつも話し声が聞こえ、和気あいあい、にぎやかでとてもエネルギッシュな場所です。雑談がなくなるというのは、学校の魅力を取り上げるようなものです。本当にこのような規則を導入したら、生徒や先生のために、私を社長の役職から引っ張りおろして下さい。
ちょっぴり意地悪な発想でこのようないたずらを従業員にしましたが、伝えたかったメッセージがあります。
いたずらを通して伝えたかったこと
会社が監視・管理をしようとすると、従業員は働きにくく、息苦しくなります。会社にも管理コストが発生しますし、本来価値が出るところではないところばかりに目が行くことになります。互いに不幸な働きづらい職場になります。