グーグルがインド投資強化、通信大手「エアテル」に10億ドル
アルファベット傘下のグーグルは1月28日、インドで第2位の携帯電話事業者「バーティ・エアテル」に最大10億ドル(約1150億円)を出資すると発表した。同社は、そのうち7億ドルでインドの富豪スニル・ミタルが保有するエアテル社の1.28%の株式を取得する。両社が共同で発表したこの取引は、インドのデジタルエコシステムの成長を加速させることを目的としている。グーグルは、エアテル社の株式を購入することに加え、今後5年間の商業契約のために最大3億ドルを投資する。この取引には、規制当局の承認が必要とされている。14億人近い人口を抱えるインドは、グーグルにとって魅力的な市場だ。同社は、登録車両の70%をバイクが占めているインドのグーグルマップに「二輪車モード」を追加している。また、2020年7月には、100億ドル規模の投資計画「インド・デジタライゼーション・ファンド」の設立を宣言し、富豪のムケシュ・アンバニが所有するインド最大の通信事業者Jioに45億ドルを投資していた。グーグルとアルファベットのCEOであるスンダー・ピチャイは声明の中で、「エアテルへの投資は、当社のインド向け投資の一貫であり、スマートフォンへのアクセスを増やし、新しいビジネスモデルや企業のデジタルトランスフォーメーションを支援していく」と述べた。最初の商業契約の一つとして、エアテルとグーグルは、様々なデバイスメーカーと協力して、より手頃な価格のスマートフォンを提供し、インド向けの5Gネットワーク技術についても検討する。エアテルは現在、インドの100万社以上の中小企業に企業向け接続サービスを提供しており、今回の契約を通じて、そのサービスを増強しようとしている。「当社とグーグルは、革新的な製品を通じてインドのデジタル部門を成長させるというビジョンを共有している。将来を見据えたデジタルプラットフォームや決済エコシステムにより、グーグルと緊密に連携していく」と、エアテル社の会長のスニル・ミタルは述べている。エアテル社を率いるミタルの保有資産は、フォーブスの試算で148億ドルで、昨年のインドの富豪ランキングで12位にランクインしていた。エアテル社によると、同社は南アジアとアフリカの17カ国で4億8000万人以上の顧客を抱えている。