2021年年末商戦、消費者の購買意欲は上向き 24%が昨年より多くの支出を予定/Sitecore調査
ECzine編集部[著]
デジタル体験管理ソフトウェアを展開するSitecoreは、日本や米国を含む14ヵ国2地域を対象に、「2021年の年末商戦・消費動向に関する調査」を実施。今回は日米の調査結果を比較した結果を発表した。
同調査結果は、新型コロナウイルスの感染拡大により、かつてない年末年始のホリデーシーズンを迎えるにあたり、消費者(米国:1,000名、日本:1,027名)および、マーケター(米国:400名、日本:432名)を対象とし、年末の消費動向やマーケターの戦略について明らかにした。
消費者に対して、「新型コロナウイルスの感染状況を確認するか」とたずねたところ、日本では、「ほとんど毎日確認する」(41%)「たまに確認する」(45%)と回答している一方、米国では、「ほとんど毎日確認する」(14%)「たまに確認する」(49%)と回答しており、日本は米国よりも感染状況を確認する割合が高いことがわかった。
また、「新型コロナウイルス流行前の生活に戻ったことを実感するか」とたずねたところ、日本では、「完全に戻った」(2%)「ほとんど戻った」(12%)と、14%が生活の状態が元に戻ったことを実感している一方、米国では、「完全に戻った」(16%)「ほとんど戻った」(36%)と、再流行や完全な収束への懸念を抱きながらも、半数以上が生活の状態が元に戻ったことを実感していることが明らかとなった。
日米の消費者に対してそれぞれ、「2021年のホリデーシーズンを昨年より盛大に祝う予定があるか」とたずねたところ、「昨年より盛大に祝う」と回答した人は、日本は20%、米国は60%で、日米双方の調査当時の新型コロナウイルス感染状況を反映する結果となった。
マーケターに対して、「ホリデーシーズンの売上が年間売上に占める割合はどの程度か」とたずねたところ、日米ともに、66%が6割以上の割合を占めていると回答。日本においては、特に中堅・大手企業でその傾向が顕著であることが明らかとなった。
マーケターに対して、「2020年のビジネスに、サプライチェーンに関する課題があったか」と質問したところ、日本の87%、米国の97%が課題に直面したと回答。コロナ禍のロックダウンおよび緊急事態宣言が製品の生産・供給に影響を与えたことが考えられる。
また、「ホリデーシーズンに向けて、サプライチェーンの課題にどのように取り組んだか」とたずねたところ、「海外サプライヤーと比較し、国内および地元サプライヤー利用の増加」(日本:55%、米国:53%)「キャンペーン開始時期の前倒し」(日本:54%、米国:53%)「ホリデーショッピング期間の長期化を踏まえた販売計画の実施」(日本:50%、米国:55%)などに取り組むことで、課題への対策を講じていることが判明した。昨年、新型コロナウイルス感染拡大により、輸送全般への影響が出たことで、国内および地元でのサプライチェーンの構築など対策を打っていることが推測される。
消費者に対して、「今年のホリデーシーズンの支出は、昨年と比較するとどうか」とたずねたところ、日本では24%、米国では36%が、昨年よりも今年のほうが多くの支出を予定していると回答。昨年はコロナ禍で迎える初めてのホリデーシーズンであったことにより消費意欲が減速したが、ワクチン接種率の増加やオンラインショッピングなど新しい購買チャネルの定着、コロナ禍の常態化により今年は意欲的になっている消費者が多いとも考えられる。
消費者に対して、「今年のホリデーシーズンの買い物において、オンラインを利用するか」とたずねたところ、日本では36%、米国では43%が、「ほとんどもしくはすべての買い物をオンラインで行う」と回答した。コロナ禍により対面でのショッピングが制限されていることから、オンラインショッピングを利用する消費者が増えていることがわかる。
日本の消費者に対して、「今年のホリデーショッピングにおいては、昨年よりも多く電子マネーの利用を検討しているか」とたずねたところ、62%は「昨年と変化なし」と回答するも、同様の質問をマーケターにたずねたところ、72%が「昨年より多く電子マネーを使用する」と回答。政府のキャッシュレス推進や新型コロナウイルスの感染防止により、マーケターは消費者が電子マネーの利用を増加させることを予想する一方、消費者は年末年始のホリデーショッピングのような高額な買い物には電子マネーよりもクレジットカードなどを利用する意向を示していることがみてとれる結果となった。
日米のマーケターに対して、「今年のホリデーショッピングにおいてどのようにインフルエンサーを起用するか」とたずねたところ、7割弱が頻度はさまざまながらインフルエンサーの起用を予定している一方、3割強は起用しない予定であることがわかった。
一方、消費者に対して、インフルエンサーに対する印象をたずねたところ、日本の66%、米国の76%は「まったく興味がない」と回答。日米ともに、消費者の6割以上がインフルエンサーという存在に「共感できない」「信用できない」「関係がない」という印象を持っていることが判明。この結果から、マーケターはインフルエンサー起用に前向きながら、インフルエンサーに対する消費者心理と乖離があることがうかがえる。
マーケターに対して、「クッキーのトラッキング機能が規制された後、顧客へのパーソナライゼーションをどのように実現したか」と尋ねたところ、依然として、日本では44%、米国では37%が「サードパーティーのデータモデルを利用している」と回答。ファーストパーティデータの収集についても、米国のマーケターの51%が積極的に取り組んでいると回答するも、日本のマーケターは36%にとどまり、顧客データの取得に対しても差異が見えた。今後、顧客へ効果的なデジタルマーケティング施策を積極的に実施するためには、ファーストパーティデータを収集・活用する重要性が高まると予測される。
この記事は参考になりましたか?
ニュース通知を受け取るには会員登録(無料)が必要です。既に会員の方はログインを行ってください。この記事をシェア
ECzine(イーシージン)eczine.jphttps://eczine.jp/static/templates/img/common/logo_eczine.jpg?2https://eczine.jp/news/detail/96922021/09/21 03:00