楽天モバイルにおける「パートナーエリア」の通信速度、料金、エリアの確認方法
楽天モバイルの公式ホームページでは、定期的に「エリア拡大予定情報」が更新されている。今後、ますます対応エリアが広がることが予想される一方で、地方や山間部などにはまだまだ楽天回線が届いていないのが現状だ。そこで知っておきたいのが、au回線にローミング接続できる“パートナーエリア”の存在。
本記事では、楽天モバイルのパートナー回線の基礎知識を解説した上で、今スマホがどこの回線に繋がっているかを確認する方法も紹介する。楽天モバイルに乗り換えたいけどエリア的に不安がある、という方はぜひ参考にしてほしい。
楽天モバイルパートナーエリアとは?
はじめに、そもそも楽天モバイルのパートナー回線エリアとは何なのかを解説する。まずは、楽天自社回線とローミング接続の違いについて把握しておこう。
au回線にローミング接続するエリア
楽天モバイルのパートナーエリアとは、au回線にローミング接続するエリアのこと。楽天回線が届いていない地方や山間部などでも、auの電波が届く場所なら楽天モバイルが利用できる。
楽天モバイルが提供するサービス回線エリアは、自社回線の「楽天回線エリア」とau回線を借りた「パートナー回線エリア」の2つ。たとえ自社回線である楽天回線が届かなくても、人口カバー率99.9%を誇るauの4G LTE回線が使えるのが楽天モバイルのメリットでもある。
ちなみに、地図上にある濃いピンク色が楽天回線エリアで、薄いピンク色がパートナー回線エリア。2021年4月21日に更新されたサービスエリアを見ると、まだまだパートナーエリアの範囲が多いことが分かる。
*楽天モバイル公式サイト サービスエリアより
通信速度は?
パートナー回線エリアにいる場合でも、高速データ通信を利用できるためスピーディーな通信が可能だ。ただし、パートナー回線エリアでひと月に高速通信できるデータ量は5GBまでに制限されているため、上限の5GBを超えてしまうと、速度制限がかかってしまう。
速度制限がかかった場合の通信速度は最大1Mbps。人によって感じ方はさまざまだが、「サイトの閲覧や低画質の動画を見るのに支障はないレベル」だ。ちなみに、海外で利用する場合は2GB超過後、最大128kbpsとなる。128KbpsはLINEやメール以外はほとんど使えないレベル。
通話料金はかかる?
楽天パートナー回線エリアの場合でも、専用アプリ「Rakuten Link」を利用すれば通話料は無料。Rakuten Linkを使用せずに、標準電話アプリを使って発信した場合は、30秒22円(税込)の通話料がかかってしまう。加えて、ナビダイアルや特番通話(110や119など)を利用した場合も通話料がかかる点は覚えておきたい。
パートナー回線の提供を終了している地域もある
楽天モバイルは、2020年10月から東京、大阪、奈良の一部地域でパートナー回線の打ち切りを始めた。ローミングの提供元であるKDDIは、「都道府県単位での楽天エリアの事項カバー率が70%を超えた時点でローミングの終了や継続を検討する」と発表し、状況に応じてパートナー回線を打ち切っていく行動計画を示していた。
2021年4月現在、人口カバー率87.4%を超えている東京は、離島などの一部エリアを除いてパートナー回線の提供を終了。2022年3月には千葉や神奈川でもローミングを終了すると発表している。なお、パートナー回線提供エリア状況は、KDDIのホームページから確認できる。
【参考】KDDI公式サイト楽天モバイル株式会社サービスへのローミング提供をご利用されるお客さまへ
楽天回線エリア/パートナーエリアの確認方法
現在、接続されている回線エリアの確認ができるのは、Android版「my楽天モバイルアプリ」からのみ。my楽天モバイルアプリ(iOS版/Web版)、Rakuten WiFi Poketでは現在どちらの回線に接続されているかは確認できない。2021年7月までにiOS版my楽天モバイルでも接続されている回線の確認ができるようになる予定なので、今後に期待しよう。
Androidの場合
Androidでエリアを確認したい場合は、my楽天モバイルアプリ開き、ホーム画面を表示する。ホーム画面の上部に「楽天回線エリア」と表示されていれば、楽天回線に接続されている状況。「パートナー回線エリア」を表示されている場合は、au回線に接続されていることになる。
iPhoneの場合
iPhoneでエリアを確認したい時は、公式サイトのサービスエリアマップをチェックしよう。ただし、楽天回線エリアにいる場合でも、回線の状況によっては、まれにパートナー回線に接続されてしまうこともあるようだ。
楽天回線エリアなのにパートナー回線になる時の対処法
「公式サイトのサービスエリアマップ上では楽天回線エリアなのに、つながらない」「楽天回線エリアなのにギガが減る」など、中には楽天回線とau回線の切り替えが上手くいかないことをストレスに感じている人もいるようだ。iPhone12シリーズ以降の機種を除き、回線の切り替えは自動で行われるため、わざわざ手動で直す必要はないが、必要があれば以下の方法を試してほしい。
機内モードにして繋ぎ直す
機内モードのオンオフを繰り返すと、接続回線がリセットされるため回線を繋ぎ直すことができる。楽天回線エリアにいるのにパートナーエリア回線に接続されギガ数が消費されてしまうのを防ぎたい場合は、機内モードを活用して一度回線を繋ぎ直してみよう。
端末を再起動させる
楽天回線エリアにいるのにパートナー回線に繋がってしまう場合は、一度端末を再起動させてみよう。接続回線が上手く切り替わらない時は、端末自体に不具合が起きている可能性も考えられる。少し面倒に感じるかもしれないが、スマホを再起動させて、今一度楽天回線に接続されるか試してみよう。
地下やトンネルの場合は諦める
数年前よりは格段改善されたものの、地下やトンネル内ではまだスマホの電波が入りにくい。これは楽天回線に限らず、すべての回線で言えることだ。地下やトンネルにいる場合は、一旦諦めるか、地上などの電波状況の良い場所に移動してから再接続してみよう。
文/oki