iPhone 13 miniが“実質23円”で投げ売り その実態に迫る(1/2 ページ)
「iPhone 13 miniが23円で投げ売りされている」――。そんな投稿をSNSで最近よく目にする。その実態を確かめるべく、都内の某家電量販店へ行き、具体的な条件や注意点を調べてみた。価格は全て税込み。
某家電量販店では割引キャンペーンを行っているキャリアや価格を一覧で表示していた23円は一括ではなく最終的な実質負担額
まず留意してほしいのが、「23円」は一括価格ではない点。店頭に掲示されたポスターを確認してみると、金額のすぐ左側に「お客様負担額」と記載されている。
「NTTドコモのiPhone 13 miniが実質23円」とうたわれたポスターこれは他社からNTTドコモにMNPで乗り換えた上で、「いつでもカエドキプログラム」に加入することが条件となっており、店舗によっては初月のみは指定のプランを契約する必要がある。
いつでもカエドキプログラムは、いわゆる残価設定型契約。分割払いの最終月の残価を端末ごとに設定し、端末を返却すると、残価の支払いが免除される。いわば端末を2年間レンタルする代わりに端末代が安くなるイメージだ。同プログラムはドコモの回線契約がなくても利用できる。
【訂正:2022年1月25日17時30分 初出時、「いつでもカエドキプログラム」の条件で「同じキャリアで別の機種を購入しなければならない」としていましたが、回線契約は不要のため、誤りです。おわびして訂正いたします。】
23円の内訳 端末購入プログラムの活用が前提
割引の内訳は本体価格が9万8208円、MNP限定割引が2万2000円、店舗独自割引が2万7345円となっている。店舗独自割引は回線契約を伴わない端末単体購入で付くものだが、その場合はMNP限定割引が適用されないとのこと。
電気通信事業法では、回線契約を伴う端末値引きが2万2000円までに制限されているので、MNP限定割引は上限いっぱいの2万2000円としている。一方、回線契約を伴わない値引きは規制されていないため、店舗独自割引として、上記のような2万2000円を超える値引きが可能になる。
毎月の支払いイメージはこうだ。単身者の場合、段階制の料金プラン「ギガライト」で5GBまで使った場合(月額5478円※dカードお支払い割適用)、1回に5分以内の国内通話がかけ放題となる「5分通話無料オプション」(月額770円)、先に述べたiPhone 13 miniの支払い額(1円が1〜23カ月)を合計すると、毎月6249円を維持できる。なお、初月のみ契約事務手数料3300円が発生する。
ここで肝心なのが、23カ月目にいつでもカエドキプログラムを利用することだ。このタイミングでiPhone 13 miniをNTTドコモに返却し、別の端末に機種変更すれば、24回目時点での残価(4万8840円)を支払わずに済む。つまり本体価格の9万8208円−2万2000円−2万7345円−4万8840円で23円になるというわけだ。
本体容量や金額は違うものの、auの販売コーナーでもNTTドコモと同様のキャンペーンが行われていたこちらはソフトバンクの販売コーナーで示されたものだが、最新端末ではなく、型落ちしたiPhone 12だ楽天モバイルの販売コーナーものぞいてみたが、他キャリアのようなキャンペーンは行われていなかった1人1台までしか購入できない
ここまで主にいつでもカエドキプログラムと、金額面での注意点をお伝えしたが、実はこの他にも気を付けるべき点がある。
その1つが情報の開示方法だ。とある店舗によれば、「転売対策の一環で、電話での在庫取り置き、問い合わせには応じず、基本的には来店者の質問に沿って案内をしている」という。そこで得られた情報やポスターの一部がSNSに投稿されているようだ。
「開封と発着信テストを行うこと」と「1人につき1台までしか購入できない」の2点も転売対策の一環で行われているそうだ。
また、このキャンペーン自体が不定期で行われていることも上記とあわせて把握しておこう。仮に記事やSNSで同様の情報を得たからといって、必ずしも来店時にキャンペーン特典を受けられるとは限らないので注意したい。
なぜ投げ売りをするのか