深澤直人氏デザインの「realme GT 2」は紙のような質感のスマホ
海外で特徴的なスマートフォンを次々と出しているrealmeは、これまで日本人のプロダクトデザイナー、深澤直人氏がデザインした製品を何機種も出していることで知られています。その最新デザインモデルが「realme GT 2」シリーズ。一見すると普通のスマートフォンに見えますが、手に持ってみるとその心地よさに心を奪われてしまうほどです。
realme GT 2とrealme GT 2 Proは2022年3月15日からグローバルで販売が始まったスマートフォンです。グローバル地域に日本が含まれていないのはちょっと残念で、無印良品などを手掛けた深澤直人氏によるスマートフォンは日本人でも興味を持つ人が多いことでしょう。そしてこのrealme GT 2シリーズの最大の特徴は本体に採用した素材にあります。
realme GT 2シリーズは複数のカラバリがありますが、そのうちのPaper GreenとPaper Whiteとの2色が特殊な素材を背面に採用しています。それは本体を手にしただけで「あれ?なんだか違うな」とすぐにわかるほどです。
realme GT 2シリーズのPaper GreenとPaper Whiteの背面は、バイオプラスチックでできています。深澤氏の「どうすれば環境にやさしく、美しく、丈夫な製品を作ることができるか」という問いかけから背面素材の開発を始めたとのこと。そして12カ月の研究開発の末に、紙パルプなどの再生可能資源を原料とするSABIC社のバイオポリマーが背面パネルに採用されたのです。
このバイオポリマーは一般的なスマートフォンの背面パネルと比べ、製造時の二酸化炭素排出量を35%削減できるとのこと。つまり地球環境に負担をかけない素材なのです。そしてこの素材を深澤直人氏がデザインし、手に持つと紙を感じる触感に仕上げました。視覚的にも印象的なデザインは1,000時間もの時間をかけて作り上げたとのこと。
上位モデルのrealme GT 2 ProはチップセットにSnapdragon Gen 8 1を採用、ディスプレイは6.7インチ1,440x3,216ピクセル、120Hz駆動と高性能。カメラは5,000万画素のワイドとウルトラワイド、300万画素の顕微鏡という面白い組み合わせです。フロントカメラは3,200万画素とこちらも高画質。バッテリーは5,000mAhで65Wの高速充電に対応。ヨーロッパでは749.99ユーロ(約10万円)で販売されます。
5,000万画素カメラを2つ搭載することで、幅広い画角で美しい写真を撮影できます。ディスプレイのリフレッシュレートが1Hzから120Hzまで自動可変するため、SNSを見ているときなどは消費電力が少なく、ゲームをするときは表示に遅延なく快適なプレイが楽しめます。美しい外観デザインに加え、内部もハイスペックな製品に仕上がっているわけです。
下位モデルのrealme GT 2はチップセットがSnapdragon 888とこちらも十分高性能です。ディスプレイは6.62インチ2,400x1,080ピクセルで、カメラは5,000万画素と800万画素ウルトラワイドと200万画素マクロの3つ、フロントカメラは1,600万画素。バッテリーは上位モデルと同じ5,000mAh、65W充電を搭載。価格は549.99ユーロ(約7万3,000円)です。メインカメラは高性能ですしチップセットもハイエンドながら、価格を若干抑えました。
realmeはヨーロッパのスマートフォン市場で2021年の出荷量シェアが5位(Strategy Analytics調査)。これは前年比で500%を越える成長を記録しました。シェアそのものは3%と微々たる数字ですが、ヨーロッパの各国でポップアップイベントを開催し、若い世代を中心に知名度を上げつつ人気も獲得しています。「ハイスペックなスマートフォンが欲しい、でも人とは違う、高デザインな製品が欲しい」と考える人にrealme GT 2シリーズはぴったりな製品といえます。
深澤氏は単調になりがちなスマートフォンのデザインに多様性を持たせてくれました。また日常的に日々使う製品としても使いやすいデザインになっています。「次の深澤直人モデルはどんな製品になるのだろう」と思わせる、realmeの今後の製品展開が楽しみではないでしょうか。