カナダ西部を襲った記録的熱波と、その後の被害 | カナダ
バンクーバー市内に設置された仮設ミスト・ステーション(C)www.cnn.com |
6月26日から29日にかけて、カナダ、ブリティッシュ・コロンビア州南西部をヒート・ドームと呼ばれる熱波が襲いました。人生で味わった事のない温度を体験したので、今回はそのお話をしたいと思います。今回の熱波は前以て「カナダ観測史上最高気温を記録する熱波になる」と言われていました。カナダ南西部の通常の夏の気温は23℃くらいで、基本、扇風機やエアコンを必要としません。ですが今回は40℃を超える予想が出ていた事もあり、家電店、ホームセンター等に扇風機やエアコンを求める人々が殺到。元々在庫自体が少なかった事もあり、軒並みに売り切れが続出しました。かくいう我が家も、熱波当日の午前中に扇風機を求めて2時間ほど車で家電店をはしごし、最後に立ち寄ったお店でようやく展示品を手に入れる事が出来た次第です。この3日間で各家庭が扇風機・エアコンをフル稼働させた事により、所によっては電力不足が起こって信号機が止まる等のハプニングも。ショッピング・モールは涼を求める人々で連日賑わっていました。
私が住む地域では27日の最高気温が39℃(体感温度46℃)、最も過酷だった28日が40℃(体感温度46℃)となりました。普段23℃の快適な夏を過ごしている身としては耐え難い暑さ(熱さ)で、水分をとりまくり、頭部を重点的に冷やしながら何とか凌いだ感じです。吸い込む空気が熱く、一分も外で立ってはいられない暑さでした。とはいえ、我が家は何とか乗り切れましたが、この3日間で熱波が原因と見られる719件の突然死が報告されています。それ位、今回の熱波は過酷なものでした。そしてBC州内陸部にある村Lytton(リットン)は、カナダ観測史上最高気温『46.6℃(27日)47.9℃(28日)49.6℃(29日)』を三日連続で更新。『カナダで最も最高気温となった村』になりました。
そんなリットンでしたが、熱波期間中による急激な乾燥と高温度が原因となったのか(現在、火元を調査中)大規模の森林火災が発生し、村民250人は火の手が迫る中で緊急避難。7月1日の時点で炎は村の90%を焼き尽くし、2名の死者を出しました。過酷な熱波から解放されてすぐの大惨事。リットン住民の方々にはかける言葉が見つかりません・・・。(ニュース動画リンク: https://www.cbc.ca/player/play/1916615747872/ )
リットンを皮切りに、各地で森林火災が立て続けに発生しています。森林火災は毎夏起こる事ではありますが、今回の熱波で森林が異常に乾燥している事もあり、例年より規模が大きくなりそうな気がしています。まとまった雨が降り、今の乾ききった森林を潤してくれると良いのですが・・・。