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日本のリバネスとシンガポールの FocusTech Ventures は、農業機器製造の小橋工業および微細藻類製品の開発・生産企業ユーグレナと提携し、農業食品への投資に特化した民間投資会社 Germi8 をシンガポールで設立することを発表した。
Germi8 は農業食品業界でイノベーションを活性化することで、食品供給の持続可能性や気候変動、環境問題といった世界規模の問題を解決することを目的としている。
リバネスの設立者兼 CEO 丸幸弘氏によると、Germi8 の調達目標額は現時点では決まっていない。しかし、今後3年間で約20のプロジェクトにおよそ1億円を投資していくという。Germi8 はリバネス、FocusTech Ventures、小橋工業、ユーグレナの4社で運営し、すべての資金もこの4社から供給される。
Germi8 の投資対象の一部には、代替タンパク質、動物飼料・水産飼料、廃棄物削減、精密農業、健康と栄養を考えた機能性食品、食物生産・安全性・トレーサビリティを向上させるテクノロジーなどが含まれる。
丸氏は Tech in Asia に次のように語った。
Germi8 を設立した目的を簡単に言うと、シード前とシード期のギャップを埋めるためです。
Germi8 の投資額はプロジェクトあたり10万米ドルを予定しており、追加投資ビークルもそれぞれの案件に合わせて実施されるという。
また、東南アジアを視野に入れるべく、9,000万米ドル規模のリアルテックファンドをシンガポールに進出させる計画を進めていると丸氏は言う。リバネスとユーグレナが設立したリアルテックファンドは日本で43社のディープテックスタートアップに投資しており、その中には農業食品業界も含まれている。
当面の間、Germi8 はリアルテックと緊密に連携して戦略的資本と強力な日本のネットワークを ASEAN 市場に拡大していきます。(丸氏)
シンガポールがブームの中心になると見ている農業特化型企業は他にもある。そのうちの1社がグローバルにアグリテック企業を支援・投資する The Yield Lab だ。同社は昨年後半、アーリーステージの農業食品テック系スタートアップに10万米ドルを投資すべく、シンガポールで Yield Lab Asia Pacific を立ち上げた。
今年初めには、フードテック特化型ベンチャーキャピタル企業 Big Idea Ventures もシンガポールで立ち上げられている。Temasek Holdings、アメリカの食品大手 Tyson Foods、Enterprise Singapore の支援を受ける Big Idea Ventures は1億米ドルを調達して、植物を中心とした食品、代替タンパク質、その他のフードテクノロジーに特化したスタートアップに投資することを計画していた。
シンガポール政府は以前、都市農業と水産養殖テクノロジーのトップに立つべく、2021年までに18ヘクタールの農業食品イノベーションパークを開設する計画があると発表していた。また、農業食品業界の推進とスタートアップのサポート体制強化に向けて、2018年には複数の政府系機関によって、「FoodInnovate」というイニシアチブが立ち上げられている。
東南アジア地域の他の国に目を向けてみると、多くの起業家が農業食品に惹きつけられていることがわかる。
リバネスは、東南アジアにおけるディープテックのイノベーションネットワークとなるべく、2010年にシンガポール支社を設立した。同社の代表的なプログラム「Tech Planter」には今月の時点で合計568チームが参加している。リバネスによると、そのうちの25%以上を農業食品テック系企業が占めており、この数字は2014年のプログラム開始以来、年々増加しているという。
同じく2014年に、FocusTech Ventures も Tech Planter の支援を開始している。同社とリバネスは互いのネットワークを通じて、日本と東南アジアのエコシステムのディープテックスタートアップが交流できるよう2018年2月から提携してきたが、今回の件でその協力関係がより強固なものになる。
リバネスと小橋工業も昨年、東南アジアの様々な農業問題とビジネスチャンスに取り組むべく戦略的な業務提携を結んでいる。
一方ユーグレナは、新たな研究シーズの探索を目的としてリバネスグループとマレーシア工科大学が1月に共同で設立した研究所 Nest-Bio Venture Lab に参画している。
今後に目を向けると、Germi8 は各社の強みを活用して農業食品系スタートアップに資本やコネクション、専門知識を提供していくことになる。
【via Tech in Asia】 @techinasia
【原文】
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