ユニバーサル・ピクチャーズが、新作映画をネットでも配信へ!
これは嬉しい配慮。
新型コロナウィルスが蔓延する前、私は毎週のように映画館で映画を見ていました。ストップモーションアニメーションで再現された『ごん GON, The Little Fox』も、実在のTVスキャンダルを描いた『スキャンダル』も、見たら死ぬと言われている呪いの映画をテーマにしたドキュメンタリー『アントラム 史上最も呪われた映画』も、公開を待ちわびていたのに、コロナの感染が怖いので見に行けていません。上映しているのに見に行けないもどかしさ…上映しているのに観客に届けられない虚しさ…映画をとりまく環境は複雑です。
そんななか、ユニバーサル・ピクチャーズが一石を投じる手段にでました。なんと、新作映画をネットで配信するそうですよ!
同社のアナウンスによると、3月20日(金)からネット配信されるのは、人間狩りを描く『The Hunt』、『透明人間』のリブート版『The Invisible Man』、そしてイギリスのドラマ映画『Emma』の3作。約19.99ドル(他国でも同価格で)で48時間レンタルできるようになるそうです。なお、『トロールズ ミュージック パワー』は4月10日に米国公開を控えていますが、公開できるようであれば劇場とネット配信の同時公開になる予定とのこと。NBUUniversalのジェフ・シェルCEOはプレスリリースで次のように語っています。
とはいえ、オンライン公開に踏み切るのは一部の作品に限るようです。ドデカスケールの大迫力アクションを売りにしている『ワイルド・スピード』最新作『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』は公開を2021年4月(来年!)に延期することが決まっています。
io9が事情に詳しいソースから聞いた話によれば、こういった対応は全面的な方針ではなく、あくまで今のコロナに対する反応で、人々が映画を見られるようにするための手段のひとつにしか過ぎないのだそうです。また、どのタイトルがネット配信になるのか、またどのくらいの期間適応されるのかについても決定していないとのこと。
ディズニーをはじめとするいくつかのスタジオは、劇場でしか体験できないシネマ・エクスペリエンスを守るために公開延期を選んでいます。ディズニーのように運転資金力のある大きな会社ならいいのですが、公開されないことで収益が得られなかったりすると、次の作品を作る資金が確保できないなんてことにもなり、最悪小さなスタジオだと閉鎖ということも。
私は個人的にシネマ・エクスペリエンスを大事にしたい人なので、公開している作品はできる限り映画館で見たいと思っています。しかし、今の状況ではそんなことも言っていられないので、オンラインでも公開してくれれば喜んで配信で観賞します。というか、『The Hunt』は楽しみにしていたのに銃乱射事件の影響で見送りになっていたので、この機会に配信してくれてとても嬉しいです。やみくもに『ワイスピ』最新作まで配信してしまうのではなく、そこはちゃんと楽しみをとっておいてくれる心配りも嬉しい。19.99ドルで48時間レンタルは、家族でみるならコスパ最高。私たちは映画を楽しめるし、映画会社は少しでも収益をあげられるし、win-winだと思いますね。
ちなみに、配信サービス先ですが、米Gizmodoは「様々なオンデマンドサービス」と伝えている一方、Digital Trendは、Xfinity On Demandと特定の名前を出していました。20日までにははっきりとしたことがわかるのでしょう。海外での配信価格も19.99ドルの相当額と書かれているあたり、日本でも配信されるのでは。個人的には、今公開している作品も配信スタートしてほしいです。本当に、心から『スキャンダル』見たいんですよね…。