LME、ニッケルの値幅制限を12%に拡大-取引が再び混乱
(ブルームバーグ): ロンドン金属取引所(LME)は17日、ニッケル相場が2日連続で値幅制限いっぱいまで下落したことを受け、値幅制限を12%に拡大すると発表した。
17日のニッケル相場は、これまでの値幅制限いっぱいの8%安となった。混乱が続くLMEのニッケル取引では同日、再び問題が発生し、LMEは取引開始の延期を余儀なくされた。ニッケル相場は取引の大混乱が起きた8日午前に付けた高値から58%下落しているが、少数の取引しか行われていない。
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LMEのニッケル取引は8日から停止され、16日に再開したばかりだった。だが17日の取引開始前の時点で電子取引システムに問題が発生し、取引開始が午前8時45分に延期された。LMEは16日に値幅制限を8%に拡大したが、その値幅制限いっぱいの8%安での売り注文をシステムが拒否した。
LME、ニッケル値幅制限拡大後8%安での注文を拒否-トレーダー
その後、その価格で3つの取引が処理されたように見受けられたが、それは当初の取引開始予定時間の4分前のことだった。これを受けLMEはブローカーに対し、取引開始を8時45分まで遅らせることを通知し、先に処理されたとみられた3つの取引も取り消した。ようやく取引が開始された後、ニッケル先物は値幅制限いっぱいの8%下落し、1トン=4万1945ドルとなった。午前10時までに行われた取引はわずか2件だった。
ニッケルは世界で有数の重要金属であり、度重なる混乱を起こしたLMEの対応は広く投資家の怒りを買い、LMEでの取引をやめるとの声も一部で出ている。
ロムコ・メタルズのトレーディング責任者、キース・ウィルディー氏は「信頼性が急速に損なわれつつある」と電話取材に対して指摘した。
原題:LME Boosts Nickel Trading Limit Again, to 12%, After Fresh Chaos(抜粋)
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Mark Burton, Alfred Cang, Jack Farchy