LINEキャラのかわいい冷蔵庫にUV殺菌機やスピーカーを搭載、韓国のクラファンで大人気
個人から出資を募るクラウドファンディングの登場で、大手メーカーの大量生産ではできない少数・精鋭な製品を生み出すことが可能になりました。韓国では一人暮らし向けのちょっと変わった冷蔵庫が去年と今年、クラウドファンディングで登場しました。しかもただの冷蔵庫ではなく日本人でもおなじみのキャラクターをあしらい、さらに時代を反映した特殊機能が搭載されています。
2020年7月に韓国のクラウドファンディング「Wiz」で834名から3億8,769万7,700ウォン(約3,700万円)もの人気を集めた冷蔵庫は、円筒形のポータブル冷蔵庫。持ち運びにはやや大きいものの、冷凍機能を搭載しない飲料などを冷蔵できる冷蔵庫です。デザインは日本のLINEキャラクターの「ブラウン」と「サリー」を採用。本体サイズは高680(ブラウン) / 660(サリー)x幅380x奥450mm。円筒形なのでベッドの横や部屋の隅など置く場所を選びません。
この冷蔵庫はただのキャラクターをモチーフにした製品ではありません。まず冷蔵庫としての機能は温度設定が3度から16度まで。アイスクリームもコンビニから買ってきて、シャワーを浴びる間のちょっとの時間だけ保管するくらいなら大丈夫かもしれません。容量は31L。本体の胴体の部分と、上に開く顔の部分の2つの部屋に分かれています。胴体部分の高さは2Lのペットボトルも入れることができます。
胴体部分は仕切り板も設置可能なので、プリンや100mlのパック飲料などをたくさん入れることもできます。ドア内側にもたっぷりと収納スペースがあります。女性なら上部の顔の部分に化粧品を入れておくのもいいでしょう。
最大収納数は330mlのビール缶なら33本、500mlのミネラルウォーターなら12本。また360mlの焼酎のボトルが11本入るというのは韓国ならではの説明。これだけ入れば1週間程度持つのではないでしょうか。
さてこの冷蔵庫は冷やす以外の機能も持っています。まずはBluetoothスピーカー機能。3Wのステレオスピーカーを本体下部に内蔵しており、スマートフォンを接続してワイヤレスで音楽再生が可能です。ベッドや机のすぐ横に冷蔵庫を設置していれば、寝ながらや机の前に座ったまま、スマートフォンからの音楽を大きい音で再生できるわけです。
そしてもう1つの機能は、今の時代になくてはならない紫外線殺菌機能。冷蔵庫の上の顔の部分のスペースに、別途紫外線殺菌機を取り付けると、マスクやスマートフォンを入れて紫外線で殺菌することができるのです。クラウドファンディングでこのブラウン&サニー冷蔵庫は865台売れ、紫外線殺菌機は201台の購入者がいました。約4人に1人が購入しており、それだけ殺菌機能にも大きな注目が集まったのです。
マスクだけではなく普段使っている化粧道具を殺菌するなど、様々な用途に使えます。殺菌時間はタイマーで1分、3分、5分の設定が可能。殺菌中に顔(蓋)部分を開けると自動的に紫外線ライトが消灯する安全機能も備わっています。
この冷蔵庫は日本円で4万円程度で販売されました。残念ながら昨年の夏のクラウドファンディングであり、現在は販売はされていないようです。その代わり、2021年は韓国のSNS、カカオトークのキャラクター「ライアン」をデザインしたモデルが新しく登場しており、5月にカカオのクラウドファンディング「Kakao Makers」で販売されました。こちらも販売は好調だったようです。
この冷蔵庫の製造メーカー「CCOMO」は大手家電メーカー向け製品も手掛けているしっかりとした企業。2回のクラウドファンディングが好調だったのはキャラクターの人気もありますが、Bluetoothスピーカーや紫外線殺菌機能という、これまでのポータブル冷蔵庫にはなかった機能を搭載したことも大きいでしょう。今後はほかのキャラクターとのコラボも含め、クラウドファンディングだけではなく通販サイトなどと組んでぜひ通年販売してほしいもの。日本での販売にも期待したいものです。