渡りきる直前で遮断機にシニアカー引っかかり転倒、電車と接触し男性死亡…検知装置なし
完了しました
9日午後4時頃、大阪府東大阪市客坊町の近鉄奈良線瓢箪山―枚岡駅間にある瓢箪山第2号踏切(警報機、遮断機付き)で、ハンドル付きの電動車いす(シニアカー)に乗っていた高齢男性が大阪難波発近鉄奈良行き普通電車(6両)と接触した。男性は病院に搬送されたが、間もなく死亡した。電車の乗客約200人にけがはなかった。
府警枚岡署の発表では、男性はシニアカーで踏切を東から西に向かって渡っていたところ、途中で遮断機が下り、渡りきる直前で遮断機に引っかかってシニアカーごと転倒。その後、電車と接触したとみられる。同署は近くに住む男性とみて身元の確認を進めるとともに、詳しい事故の状況を調べている。
近鉄によると、踏切は道幅が約2・2メートルで、自動車は通行できない。立ち往生する車いすなどに反応し、運転士に知らせる障害物検知装置は設置されていなかった。
この事故の影響で、同線は瓢箪山―石切駅間の上下線で一部運転を見合わせたが、いずれも同日午後5時に再開した。
独立行政法人・製品評価技術基盤機構によると、走行中に路肩から転落するなど、電動車いすの事故が2008年から20年までに142件あり、52人が死亡。踏切での事故も目立ち、今年8月には、香川県観音寺市のJR予讃線の踏切で、シニアカーに乗った高齢女性が特急にはねられて亡くなっている。
電動車いす安全普及協会は「踏切内で立ち往生した場合は非常ボタンを押してもらうなど、介助者や周りの人に協力を求めてほしい」としている。
無断転載・複製を禁じますスクラップは会員限定ですスクラップについて新規登録会員の方はログイン使い方 社会 25854650社会2021/12/09 22:52:002021/12/10 00:56:322021/12/10 00:56:32https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/12/20211210-OYT1I50022-T.jpg?type=thumbnail