携帯3社、スマホの卸価格など販売代理店への制限を緩和 公取委の指摘受け
NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクのMNO3社は10月13日、公正取引委員会(公取委)が6月に公表した実態調査を受け、販売代理店との取引と端末購入補助サービスの提供について見直したと発表した。代理店によるスマートフォン販売の自由な価格設定を容認する他、各社のユーザーでなくとも端末購入補助の対象である旨をカタログや広告などで明記する。
KDDIの見直し内容販売代理店 価格設定や付属品の取り扱いに制限
公取委は先述の調査で、MNO3社が販売代理店への卸価格に制限を掛けており、代理店がMNO公式のオンライン価格を下回る価格で販売できないことが多く「独占禁止法上の問題になる恐れがある」と指摘していた他、「充電器などの付属品を含む独自商材の取り扱いが認められない」などの問題があると報告していた。
これに対し3社は以下の改善策を実施するとしている。
KDDIとソフトバンクは加えて、通信プランの販売数に関する評価基準を改定。KDDIは大容量プランの販売数に関する指標を削除する。
端末購入補助サービス 回線契約がなくても利用できる旨を明示
MNO3社は、2019年の電気通信事業法改正で端末と回線契約のセット販売による割引が制限されたことなどから、使用後の端末を返却することを条件に、端末単体の販売時に割引を適用する端末購入補助サービスを提供している。
公正取引委員会はこの施策について「回線契約がなくてもサービスを受けられることが分かりづらく、消費者の87.1%が認知していなかった」「KDDIとソフトバンクの場合は、非回線契約者がオンラインでサービスを受けられない」などの問題があると指摘。
3社は、回線を契約していないユーザーでも利用できることをサービスロゴの近くに明記するなど表示方法を改善するとともに、利用者に向けて回線を解約した後も残債免除が受けられることを申込書やメールで周知するという。
ドコモの表示改善KDDIは非回線契約者でもオンラインで端末購入補助サービスに加入できるよう制度を変更。ソフトバンクも今後対応するとしている。
両社は端末購入補助サービスを利用する条件として、端末の返却に加え機種変更も必須としていたが、KDDIは機種変更が不要な「スマホトクするプログラム」の提供を始めた他、ソフトバンクも割引条件から「機種変更が必要」とする指定を削除した。
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