“集中度”を可視化して生産性向上を裏付ける 「JINS MEME BUSINESS SOLUTIONS」の提供を開始(1/2 ページ)
目は口ほどにものを言う
独自に開発した眼電位センサーとジャイロセンサーを搭載したジェイアイエヌのスマートアイウェア「JINS MEME」は、目の動きやまばたき、そして頭の動きなどが検出できるメガネだ。JINS MEMEでこの目や頭の動きを検知し、スマートフォンアプリ「JINS MEME OFFICE」と組み合わせると、装用者の“集中”の度合いをグラフ化できるというユニークな特徴を持つ。
「集中している状態」の明確な定義はないが、ジェイアイエヌでは頭の中を1つのことに専念させられている状態と規定。人間は集中するとまばたきの回数が減り、姿勢の変化も少なくなることが研究で分かっていることから、まばたきが少なく、姿勢が安定している状態を、「集中している」と判定する。
JINS MEMEでまばたきを検出ジェイアイエヌの独自技術、3点式の眼電位センサーで目の動きとまばたきが検出できるジャイロセンサーも搭載しており、頭の動きも検知するJINS MEME OFFICEは集中度をほぼリアルタイムで数値化してくれる実際には、頭と心、体の状態を100点満点で数値化し、この3つの点数の平均が60点以上だと集中していると判断、80点以上は「Flow」という超集中状態としている。アプリを試した感じでは、頭がまばたきの回数、心は目の動き、体が頭の動きを元にした数値となっているようだ。
JINS MEME OFFICEは、iOS版がAppStoreで公開されており、JINS MEMEを持っていれば実際に試してみることができる。毎日の集中度を測って記録をためていくと、自分が集中しやすい時間帯や、何によって集中を妨げられているのか、といったことも見えてくる。アプリの公開から半年が経過し、5000時間分のビッグデータが集まっているといい、現在はチームや人によって異なる集中の傾向を分析しているという。
さらに集団の集中が可視化できると、生産性がちゃんと上がっているのか、といったことが見えてくる。例えばオフィスでフリーアドレス制を導入する前と後でJINS MEMEで集中度を計測すると、効果の有無が分かる。あるいは人によって違うとされる集中しやすいタイミングが、フレックスタイム制でどれくらい効率化されているかなども可視化できる。
JINS MEMEの開発担当、井上一鷹氏は、こうしてチーム単位や部署単位で集中を可視化することで、生産性をより高くすることが可能なはずだと話す。
「チームごとなどに集中度を見てみると、例えばエンジニアのチームは午後から夜にかけて集中力が上がっていったりします。また(ジェイアイエヌの)社内で検証したときは、午前中の集中力が高く、徐々に下がっていくといった傾向が見られました。人によって集中する時間帯や、集中できる時間帯は違います。ですから、全員が朝9時に出社して仕事をするのは、生産性や集中力の観点から言うと、正しくないのかもしれません。月曜日に全然集中できないチームは、いっそ週末は3連休にして、残りの4日間を頑張らせるとか、そういう方法も考えていく必要があるのではないかと考えています。チームの傾向を可視化するようなソリューションは、今後提供していきたいと考えています」(井上氏)
JINS MEME OFFICEの応用として、チームの集中度などを可視化するソリューションも作っているなお2月にはJINS MEME OFFICEのApple Watchアプリもリリース予定だ。このアプリでは、集中度から休憩を取るべきタイミング「Breakpoint」を通知する機能も備えるという。
JINS MEME OFFICEのApple Watchアプリも2月に提供する。Apple Watchでは、休憩を取るべきタイミングを知らせてくれるBreakpoint通知機能を用意する