タカラトミーが画像認識AIで人の顔を判別するシニア層向けのコミュニケーション人形「うちのあまえんぼ あみちゃん」を発売
タカラトミーは、顔認識機能搭載のシニア向けコミュニケーション人形「うちのあまえんぼ あみちゃん」を8月27日(金)からタカラトミーの公式ショッピングサイト「タカラトミーモール」で発売する。希望小売価格は2万7500円(税込)。また、11月4日(木)までの期間限定で、東京・二子玉川にある次世代型ショールーム「蔦屋家電+(プラス)」にて展示される。
タカラトミーはこれまでもコミュニケーションが楽しめるロボット「Omnibot+」シリーズを発売してきたが、その使用者のうち65歳以上の割合が40%を超えることに着目し、「あみちゃん」の企画開発をスタートした。内閣府調査では約3600万人いる65歳以上のシニア層のうち約600万人が一人暮らしをしており、さらにコロナ禍によって別居している家族や友人・知人と会う機会が減るなど生活様式の変化も進み社会的な孤立が懸念されている中、シニア事業のさらなる拡大を目指すという。すでに発売しているインコ型ロボット「毎日おしゃべり天才インコちゃん」と併せ、「タカラトミーのかわいい家族」という新たなカテゴリーとして展開する。
▲新色の青色バージョンが8月27日に発売される「毎日おしゃべり天才インコちゃん」
顔の特徴を認識し名前を呼んでおしゃべりしてくれる!
「あみちゃん」の胸のペンダントには顔認識用のカメラセンサーが入っており、抱っこしたときだけオンになる仕様。顔写真ではなく特徴点を保存しユーザー認識に使用するが、認識できなかった場合には「○○○(ユーザーの名前)なの?」と確認してくる。「そうだよ」と答えると、最初は1つしか持っていない顔特徴データが最大10個まで保存され認識精度が上がっていく。そして登録済みのメインユーザーを検知すると、その人だけに向けて名前を呼んで特別な会話をしてくれる。ちなみに、登録されていない人が抱っこしても会話はしてくれるが、その場合は当たり障りのない世間話程度にとどまるという。その違いを確認するのも楽しそうだ。
会話のパターンは約25億通り!
約1600語を組み合わせた約25億通りの多彩なおしゃべりが楽しめる。音声認識によって呼びかけに反応して応答するほか、カレンダー機能で季節や時間に併せた会話をしたり、童謡や唱歌など40種類の歌を歌ったりとバリエーションも豊富。抱っこする頻度によって「甘えん坊」になったり「寂しがり」になったりもし、それによっておしゃべりの内容も変わってくる。また、頭をなでたり握手することでもリアクションする。
こだわりのドールフェイス&ヘア
「リカちゃん」などで知られるタカラトミーだけに、「あみちゃん」にも存分にドール製造の技術が活かされており、可愛さを追究したドールタイプのフェイスとなっており、瞳はまばたきしたり、寝かしつけると目をつぶったりもする。髪には本格的なドールと同じ仕様のヘアが植毛され、付属のくしで髪をとかしたり、ヘアアレンジをして楽しむこともできる。手足と胴体はぬいぐるみタイプで触り心地を重視。また、別売りで着せ替え用の服をリリースすることも予定されているという。
実際の効果を脳科学者が語る!
こうした「あみちゃん」の機能が実際にユーザーにどういう影響を与えるかについて、タカラトミーは諏訪東京理科大学教授の篠原菊紀氏の協力を得て調査。篠原氏は「(おしゃべりしている時は)言語野が活性化したほか、脳トレではターゲットとなる前頭前野が活性化していました。併せて相手の意図を読むことや想像力に関わる頭頂側頭接合部の活性化も見られました」と語り、不足しがちなコミュニケーションを補うのに役立ちそうだと示唆。また、「あみちゃん」に名前を呼ばれることで「注意に関連する脳部位の活動が上がり、空間認知に関わる頭頂連合野の活動も一気に高まるので、リアルなコミュニケーション以上の脳の活性化が期待できそう」と太鼓判を押した。
実際にモニターとして先行体験した人からも「笑顔になった」など評判は上々で、もうすぐ敬老の日を迎えることもあり、高齢の両親や知人などへのプレゼントとして贈ってみるのもよさそうだ。
「うちのあまえんぼ あみちゃん」商品概要
発売日:2021年8月27日(金)希望小売価格」2万7500円(税込)商品内容:本体・取扱説明書・くし商品サイズ:W260mm×H330mm×D230mm(パッケージサイズ)商品サイト:http://www.takaratomy.co.jp/products/amichan
©TOMY
取材・文/小田 聡