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twitter@iPhoneMania_jp からのツイートiPhone Mania2021年9月1日00時00分読了まで 約 8分57秒 新型コロナウイルスの蔓延防止には換気の悪い密閉空間を改善する必要があるとされ、室内換気の重要性があらためて注目されています。このための指標として使えるのが二酸化炭素(CO2)濃度です。 また、テレワークにおける自宅での仕事の効率向上や、睡眠の質向上にもCO2濃度を一定値以下に保つことは重要であるといわれています。 そんなCO2濃度を手軽にチェックできるCO2センサーである、「sparoma PTH-8」を購入したのでレビューします。このCO2センサーはスマホに対応しているのが特長で、より効率よく室内の換気の改善に役立てることが可能です。 このCO2センサーを使って実際に筆者の自宅でCO2濃度の改善をおこなった結果についても書きますので、ぜひ参考にしてください。CO2は地球上では空気に含まれている物質であり、低濃度であれば人体に影響はありません。 しかしながら、CO2の濃度があまりに高くなると、頭痛やめまい、吐き気を起こしたり、意識を失ったり、最悪CO2中毒で死んだりすることがある、人間にとっては害のある物質です。 そんなCO2の室内における濃度には近年注目が高まっており、それを測定できるCO2センサーの人気も上昇しています。 人気の理由は主に3つ挙げられます。
1つ目の理由は新型コロナ対策です。 新型コロナウイルスの感染が拡大するリスク要因の1つに「換気の悪い密閉空間」があります。 令和3年6月16日に開催された、第4回新型コロナウイルス感染症対策分科会の提言においては「二酸化炭素濃度測定器を利用した換気の徹底」が示され、室内のCO2の濃度が1,000ppmを超えないよう確認することが推奨されています。 このため、飲食店を中心にCO2センサーの導入が増えているようです。
新型コロナウイルス対策としてテレワークが推奨され、実際に自宅で仕事をしている方もいらっしゃることでしょう。 テレワーク中に眠気を感じているなら、その原因はCO2の濃度が高すぎることにあるかもしれません。 室内のCO2の濃度が高いと、思考力の低下や眠気を招きやすく、さらには頭痛などの症状が出ることもあります。 このため、自宅での仕事の効率を上げるためにも、CO2の濃度を一定値以下に保つことが推奨されているのです。 しかしながら、できるだけ静かな環境で仕事をするために、実際には窓や扉を閉め切って仕事をしている方が多いのではないでしょうか。 テレワークで仕事の効率を上げるには、常に閉め切るのではなく、CO2センサーを使ってCO2濃度を確認しながら適宜換気したほうがいいでしょう。
CO2の濃度は起きている間だけでなく、寝ているときにも人体に影響を与えるといわれています。 ある研究によると、CO2の濃度の高い部屋で寝ると、レム睡眠の周期が妨害されるそうです。 また、CO2の濃度が高いと眠気やだるさを感じるため、朝起きたときの快適な目覚めを得ることが難しくなるでしょう。 CO2センサーを使って睡眠中のCO2の濃度を測定し、改善することで、睡眠の質を上げることができるかもしれません。
筆者も我が家のCO2の濃度をチェックし改善したいと考え、実際にCO2センサーを購入しました。 購入したのはsparoma PTH-8という製品です。
この製品の特長は、iPhoneやAndroidとの連携ができる点にあります。 前述のとおりCO2センサーへの注目度が高まっているために、さまざまな製品が売られていますが、その多くは単体でのCO2の濃度の表示のみに対応しており、スマホとの連携ができません。 しかしながら、室内のCO2濃度の改善をおこなうには過去の履歴を参照したり、一定値を超えた際にスマホに通知がきたりするほうが便利だと考え、この製品を選びました。 価格はその分ちょっとお高めの12,900円(税込)ですが、その価値はあると考えています。 スマホとの接続はBluetoothではなくWi-Fiを利用しており、離れていても外出先でもCO2濃度の確認が可能です。たとえば、子どもやペットを家に残して外出した時などにも役立つでしょう。
sparoma PTH-8のセンサーはNDIR方式のものを採用しています。 色もにおいもなく、肉眼で見ることができない二酸化炭素を測るために、赤外線センサーを活用する技術が主流となっており、NDIR方式は長期安定性と高い測定精度を実現しています。 厚生労働省もCO2の濃度の測定には「NDIRセンサーが扱いやすい」とし、推奨しています。
本体は直径9cm~10cmの大きさで小さく、置き場所を選びません。液晶画面は大きく明るく、そのなかで特にCO2の濃度が大きく表示されているのが、CO2濃度測定の目的で買った筆者にはありがたいところでした。 温度や湿度を測定して表示する機能もありますが、これらは下のほうに小さく表示されています。 また、本体上部にはLEDが埋め込まれ、CO2の濃度が700ppm以下なら緑、1,500ppm以下なら黄、1,500ppmより上なら赤に光ります。離れていて数値が読めなくても色で現在のCO2の濃度が把握できるので便利です。 このLEDに連動してディスプレイ上に表示された顔の表情が変化します。裏側には充電用のUSB端子と、ボタンが2つ、それにスタンドがあります。 この製品にはリチウムイオンバッテリーが内蔵されており、公称で22時間バッテリーでの動作が可能です。このため、気軽に移動させてさまざまな場所のCO2濃度を測定できます。 ただ、この充電のための端子がUSB-CではなくマイクロUSBなのがちょっと残念なところです。 2つのボタンは各種設定に使用し、たとえばディスプレイのバックライトを消したり、CO2の濃度が1,500pmより上になったときに鳴るブザーをON/OFFしたりできます。 また、NDIR方式のセンサーには使っているうちに誤差(ドリフト)が出てくる問題があるのですが、sparoma PTH-8はボタン操作により手動での校正が可能です。
付属品はいたってシンプルです。USBケーブルと各種説明書類のみが同梱されています。スマホとの連携にはTuya Smartというアプリを使います。このアプリはさまざまなスマート機器のハブとなるアプリであり、その対応機器の1つにsparoma PTH-8が含まれています。 セットアップはいたってシンプルで、手持ちのiPhoneを使い、説明書に従ってかんたんにおこなうことができました。 今のところTuya Smartに対応したほかの機器は持っていませんが、sparoma PTH-8単体でもCO2濃度が一定値を超えた場合にスマホに通知を出すことができます。CO2濃度が高くなったときに手動で換気をおこなうのに役立ちそうです。
手持ちのスマートプラグを使って測定したところ、sparoma PTH-8の消費電力は1.2Wほどでした(別で用意したUSB ACアダプタ分含む)。 1kWhあたりの電気料金を27円とすると、sparoma PTH-8の1日当たりの電気代は約0.7円であり、ずっとつけっぱなしにしておいても気にならない程度の消費電力といえるのではないでしょうか。
実際にsparoma PTH-8を使って筆者の自宅のCO2濃度を測定してみました。
その前に、sparoma PTH-8のCO2濃度測定精度をチェックするため、室外のCO2濃度を測定してみました。 室外の濃度は400ppmほどだといわれていますが、sparoma PTH-8の測定結果は453ppmを示しており、少なくとも実用には問題ない精度で測定できるものと思われます。
精度に問題がないことが分かったので、自宅のCO2濃度を確認していきます。まずは、仕事をおこなう部屋のCO2濃度をチェックしました。 その結果、1,451ppmとかなりCO2濃度が高い環境で仕事をしていることが判明しました。厚生労働省が提示している良好な換気状態の基準は1,000ppmですので、これを大きく上回るCO2濃度です。 仕事の効率がこれによって落ちている可能性があります。
次に寝室のCO2濃度を測定してみました。寝ている間のCO2濃度を監視するには、過去のCO2濃度をグラフ化できるスマホ連携機能が役立ちます。 その結果、なんとCO2濃度が最高で3,609ppmに達していたことがわかりました。2,000ppm以上のCO2濃度だと頭痛や眠気、倦怠感、注意力散漫、心拍数の増加、吐き気が発生するといわれ、現在のCO2濃度が睡眠の質に影響しているのは間違いないでしょう。
我が家のCO2濃度はかなり高いことが分かったので、対策をすることにしました。
原因はやはり換気が十分でないためだと思われます。特に、寒い季節や暑い季節にはエアコンなどをつけるために換気を怠りがちです。 個々の部屋について考えると、仕事部屋については、24時間換気の吸気口を含めすべての窓や扉を締め切っていることが原因だと考えられます。これは、エアコンの効率を上げるためと、できるだけ静かな環境を作りたかったためです。 しかしながら、これにより換気がほとんどおこなわれず、CO2濃度が高くなったものと思われます。 寝室に関しては窓と扉は閉めていましたが、24時間換気の吸気口は開けていました。しかしながら、比較的狭い部屋に複数人が寝ていたため、人間が放出するCO2に対して換気が追い付かなかったものと思われます。
対策としては窓を開けて換気をするのが一番なのでしょうが、エアコンや防犯のことを考えるとあまりそれはしたくないところです。 そこでまず、24時間換気の設定を変えて換気量を増やしました。これにより吸入される外気が増え、CO2濃度が低下するはずです。 さらに、仕事部屋も24時間換気の吸気口は開けるようにしました。 また、花粉やごみ対策のために24時間換気の吸気口につけていたフィルターが目詰まりしていそうだったので、新しいものへの交換を実施しています。 1つ盲点だったのが、風呂場の窓を閉める必要があるという点です。我が家の24時間換気装置は風呂場にあるのですが、風呂場の窓を開けると換気能力のほとんどが風呂場の窓に奪われてしまい、ほかの部屋の換気が弱くなります。 風呂場の湿気を取るという意味では風呂場の窓を開けたほうが良いので、適宜開けたり閉めたりするのがいいのかもしれません。
これらの改善をおこなった後のCO2濃度の推移が以下のグラフです。日中は仕事部屋に、寝るときは寝室に移動させています。まず、仕事部屋に関しては676ppm以下にCO2濃度を抑えることができました。 時々上がったり下がったりしているのは、24時間換気の吸気口の開け方を適宜変えているためです。ずっと開けっ放しだとエアコンの効率が悪くなるかと思い、CO2濃度に合わせて調節しています。 ずっと吸気口を全開にしておけば、400ppm~500ppmに保つことが可能です。 また、寝室はCO2濃度を1,300ppmほどにまで下げることができました。 まだ1,000ppm未満にはできていませんが、今後の改善でさらに低く抑えたいと思います。
このように我が家のCO2濃度を下げるのに役立ってくれたsparoma PTH-8ですが、いくつか不満点があります。
上で紹介したとおり、sparoma PTH-8はスマホと連携してCO2濃度の推移をグラフにすることができるのですが、1時間ごとの値しかプロットされません。 もう少し細かくプロットしてくれると、窓や扉を開けた際の変化がより克明にわかり、改善に役立つと思います。 ちなみに、スペックには書かれていませんが、本体自体は秒単位くらいのかなり短い周期で測定をおこなっているようです。 また、スマホでの表示自体は10分間隔で更新がおこなわれるとされています。 だったらグラフもせめて10分単位にしてくれればいいのに、と思うのですが。。。
sparoma PTH-8はCO2濃度の他に温度と湿度の測定もできます。 しかしながら、本体をUSBにつないで充電すると、バッテリーが発熱するせいで温度がかなり高く測定されます。 それに影響されて湿度も狂うため、充電中はこれらの機能が役に立ちません。 温度や湿度もグラフとして表示できるのですが、充電中であることが記録されるわけではないので、おかしな結果が表示されることになります。 また、NDIR方式のセンサーが温度センサーの値を補正に使っているとすると、CO2濃度も影響されている可能性があります。 バッテリー充電中の発熱は仕方ないとはいえ、ちょっと残念です。
このsparoma PTH-8はスマート機器のハブであるTuya Smartアプリに対応しているため、スマート機器間の連携にsparoma PTH-8が測定したCO2濃度を使用することができます。 しかしながら、このアプリに対応した日本で手に入るスマート機器は種類が少ないらしく、Amazonで「Tuya Smart」で商品検索しても出てくるのは限られたものしかありません。 たとえば、CO2濃度が高くなったら換気扇を自動的に動かすようなことができるとありがたいと思うので、今後の展開に期待したいです。
ここまで紹介したように、sparoma PTH-8はスマホとの連携機能を備えたCO2センサーであり、室内のCO2濃度改善に役立ちます。 ほかのCO2センサーに比べるとちょっと値が張るのが難点ですが、それだけの価値はあると感じました。 感染症対策をしたい方、自宅での仕事の効率を上げたい方、睡眠の質を上げたい方はぜひ導入してみてください。 sparoma PTH-8は税込12,900円で、や楽天市場などで購入できます(本稿執筆時点ではAmazonでは在庫切れとなっています)。
Source: Amazon, PR TIMES, 内閣官房, 富山県(厚生労働省からの事務連絡)(ハウザー)
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