規制強化で「独身の日」の売上は伸び悩み——Alibabaは前年比14%増、JDは600衣料ブランドの売上が前年比8倍超
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Alibaba(阿里巴巴)が11日に開催した「独身の日(光棍節)」のセールイベントでの流通取扱高(GMV)は、前年比14%増の845億米ドルにとどまった。これは、 Alibaba が2009年にこのイベントを開始して以来、最も低い成長の伸びだ。
これに対し、競合の JD.com(京東)は、GMV が546億米ドルで、前年同期比28%増となった。11月10日に最後の売上急伸が始まってから最初の10分間で、JD.com 上の600のアパレルブランドの売上が前年の8倍に増加した。
Alibaba の独身の日が伸び悩んでいるのは、中国当局が国内のテック大手を取り締まっている中でのことだ。今回は、中国の規制当局が、反競争的な行為を行っている国内のテック企業に罰金や警告を科すようになってから、初めての独身の日セールとなった。
今週初め、地元の市場規制当局は、毎年恒例の独身の日セールを前に、 Alibaba や Meituan(美団)傘下の企業を含む e コマース企業16社に対し「不公正な競争」を行わないよう警告した。規制当局は、企業が不正行為を行わないようにするためのガイドラインを策定した。
ロイターの報道によると、中国当局による規制強化を受けて、 Alibaba は今年、セールに向けたマーケティング活動を縮小し、持続的成長に焦点を当てていると発表した。また、独身の日イベントの最後の数時間は、売上高の数字を控えめにし、社会福祉の取り組みを押し出したと報じられている。
中国政府はまた、テック企業にさらに社会に貢献してもらいたいと考えており、今年の主要なテーマは、グリーン物流、環境に優しい製品、そして、消費に注意を払うことだという。
これを受けて、 Alibaba の「Tmall(天猫)」アプリでは、エネルギー効率の高い商品や環境負荷の低い商品を割引価格で購入できる「グリーンクーポン」を配布した。また、 Alibaba の物流部門は、中国全土の6万カ所の集荷場で梱包材の廃棄物をリサイクルするサービスを提供した。
独身の日は、1日だけのショッピングイベントから、ブラックフライデーとサイバーマンデーを合わせたよりも多くの収益をもたらす数週間のプロモーションへと発展した。このイベントは非常に人気が高く、中国や東南アジアの他の e コマース企業にも採用されている。
【via Tech in Asia】 @Techinasia
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