製造業のWebマーケティング。成果の出る手法や事例を一括解説
1.そもそもWebマーケティングとは
Webマーケティングとは、オンライン上で行う、商品・サービスをより多く売るための一連の活動のことを指します。一般的なマーケティングでは、ターゲットを定め、自社の商品の認知向上と実際の購入へ結びつけるための活動をします。「どんな商品があるか」「どこで売っているのか」という認知を広めて、既存顧客との関係を強化し、さらには潜在顧客に興味を持ってもらうように仕向ける施策が含まれます。Webマーケティングは、このようなマーケティング活動をすべてオンラインで行うマーケティング手法です。
Webマーケティングの主なステップとして、下記の5つが挙げられます。
Web広告やSEO、メールマガジンやSNSでの情報発信など、自社に興味を持ってもらい集客するための方法はオンライン上にも数多く存在します。Webマーケティングを活用すれば、従来のマーケティング手法だけではリーチできなかったような潜在顧客にまで効率的にアプローチしていくことも可能になります。コロナ禍で、人やモノの物理的な往来が制限されている現在、新しい潜在顧客との接点を持ちたい企業の強い味方となるものです。
2.製造業のWebマーケティングの特徴
それでは、BtoB 製造業のWebマーケティングの特徴とは、どんなものなのでしょうか?
日本産業を代表する製造業ですが、長い間、その職人文化や高い技術に支えられて成長してきました。グローバル化にともない競争が激化している業界でもありますが、やはりその真髄となっているのは日本企業が持つ高い「技術力」や安定した「品質」ではないでしょうか。高い技術力を持つ企業は、大企業だけでなく、中小企業も数多く存在し、長年の研究や開発努力の結果に生み出した独自の技術や製品を打ち出しています。
過去を継承する職人文化に基づくものづくりを推進していた業界でもあるため、比較的新しいコンセプトである「デジタル化」がなかなか進まず、見込み顧客の獲得から営業、受注に至るまでの一連のプロセスをアナログな手法に頼っていた傾向の強い業界でもあります。
製造業において、「自動車」や「椅子」のように製品そのものを取り扱うメーカーの数は限られています。大多数を占めているのが、他社製品に組み込むような製品を提供していたり、一見外からは見えない基盤などを製造している企業です。それゆえ、必然的に商品ラインナップも特殊なニーズに対応したものとなります。ここが製造業のWebマーケティングを行う上で、難しい点でもあり、逆に打ち出し方によっては他社との大きな差別化を図れる可能性のあるポイントでもあります。
Webマーケティングでは、自社の製品やサービスに興味を持つ人物像(=ターゲット)を明らかにすることが重要ですが、BtoB製造業の場合はそのターゲットが検討段階によって異なります。
BtoBビジネスでは、商品の開発から、商談、契約に至るまでの流れを全てクリアして初めて発注に至ります。「商品の利用者」が「購入の意思決定者」であるBtoCとは異なり、「商品の購入者」「商品の利用者」「購入の最終決定権者」が全て違う人物になり、それぞれの立場で「ニーズ」や「抱える課題」も少しずつ変わるのです。また、製造業では、さまざまな担当者の存在に加え、問い合わせから実際の受注生産までの期間が長いのも特徴です。
製造業のWebマーケティングでは、このような異なる立場の担当者が求めるニーズや課題に、その検討段階ごとに応えていく必要があります。
このように、すでにデジタル化が進んでいる他の業界と比べると、BtoB製造業におけるWebマーケティングの導入を実現するには、越えなければいけない壁がたくさんあります。
コロナの影響で、展示会の中止や海外往来ができないなど、オフラインでの見込み顧客との接点が少なくなる中、製造業でも新たな活路を見出す必要が出てきています。なお、Webマーケティングは、人員や予算に限りのある中小企業や地方企業にこそ、大きな効果を発揮する傾向もあります。地理的な理由や人員不足などで、今までアプローチする余力がなかったさまざまなターゲットに、Webを通して自社の魅力をアピールできるためです。また同様の理由で、海外市場へのアプローチにも大変有効です。
これまでオフラインでの活動が主流だった製造業でも、Webマーケティングを活用すれば新たな潜在顧客への接点を拡大していくことがが可能になります。
3.なぜ製造業にWebマーケティングが普及しないのか
出典:pixabay
業界の垣根を越えてオンライン化が急速に進む現代において、なぜ製造業ではWebマーケティングの普及が遅れているのでしょうか?
まず、日本の製造業の伝統的な体質が関係しています。日本の製造業はBtoBのビジネスモデルで成り立っていることがほとんどで、自動車製造や金属・鉄鋼関連など、製造メーカーは安定した品質と納期さえ守れば、新規開拓営業をしなくとも受注が継続していくことが一般的でした。このような安定した傾向が長く続いていたため、新規市場開拓の必要性をあまり感じていなかった業界ともいえます。
また、日本の製造業はいわゆる職人文化に通ずるところが多く、「伝統を重んじる」「年功序列」などの価値観が深く根付いています。対してWebマーケティングでは、「若い世代」を中心とした企業や「新しいコンセプト」の施策で成果を上げていることが多いのです。方向性が真逆にも思える2つの業界ですが、製造業がWebマーケティングを効果的に導入していくには、この壁を越えていく必要があるといえるでしょう。
BtoB製造業では、一般消費者向けの製品とは違い、非常にニッチな製品を扱っている企業が大多数です。自動車や椅子といったような、どのように使われるのかイメージがつきやすいものよりも、他社の製品に組み込まれる部品やパーツ、装置の基盤など、表に出てこないような製品も多くなっています。そのニッチさゆえに、そもそもそれらのキーワードがWeb上で検索される回数が非常に少ないのです。
また、技術情報が企業の要となっている製造業では、自社技術の情報流出が命取りとなる場合も多くあり、情報の取り扱いに対する考え方がシビアな傾向があります。情報流出を防ぐため、勤務時間中のインターネット閲覧やメールの利用を禁止している企業も中にはあります。
ニッチな検索ニーズと、検索する人の少なさから、ターゲット人口のサイズが小さいという点も、BtoB製造業においてWebマーケティング普及を阻んでいる要因のひとつでしょう。
BtoB製造業は、これまでは既存の仕事をしっかりとこなしていけば継続的に受注が発生する、新規市場開拓の必要があまりない安定的な業界でした。これまでは日本企業のものづくり力や技術力を強みとして、品質を重視していれば仕事が途絶えることはありませんでしたが、世界にも生産力のある企業が増えてきたことや、コロナ禍によるマーケットの急激な変化で、以前のように安定的な受注を確保することが年々難しくなってきています。
ただ、これまでの製造業独特の安定的な体質が長く続いていたため、なかなか社内の理解が追いついていない企業が多いのが現状です。Webマーケティングを運用できる人員が確保されていないことに加え、成果が出るまでに一定の時間を要するWebマーケティング施策が予算に見合うものなのか、なかなか社内承認が得られない企業も存在します。
また、上記で挙げた製造業界の機密情報管理に対する考え方が、価値のある情報を積極的に公開していこうというWebマーケティングの手法と相反するものでもあるため、なかなか社内の理解が得られない場合もあるのです。
このように製造業でWebマーケティングの普及が進まなかった理由は数々ありますが、それゆえに、積極的にWebマーケティングを導入すれば、他社との大きな差別化につながるともいえるでしょう。
4.製造業のWEBマーケで重要なこと
BtoB製造業において、Webマーケティングの導入を阻む壁は想像以上に高いのが分かりました。ただ、他の業界でもそうであるように、製造業でもWebマーケティングを活かして新規顧客を獲得していくことはできます。それでは、製造業でWebマーケティングを推進していく際、重要なことはどんなことでしょうか?
マーケティングの基本は顧客ニーズの把握で、それは製造業のWebマーケティングにおいても同様です。まずは顧客の抱える「ニーズ」や「課題」をしっかり把握することが、その後の戦略を立てる上で非常に重要となります。
顧客の悩みや興味を理解し、その解決方法を提案していくことがあらゆるWebマーケティング施策のベースになります。ただ、BtoB製造業では、「購入者」「利用者」「購入の最終決定者」がすべて異なるため、それぞれの立場ごとのニーズや悩みを把握していくことが大切です。製造業向けのリサーチサイトやQ&Aサイトを見てみると、そういったさまざまな人からの質問やデータが掲載されています。こういったサイトなどを利用して、ニーズをしっかりと把握していくことがおすすめです。
実は、製造業では、自社のブランドを表現するWebサイトはあまり多く存在していません。というのも、自社製品が他社製品の見えない部分に使われていたり、どこか一部に組み込まれている、というような表に見えてこない製品の製造をする企業が多いためです。
ブランディングでは、Webサイト全体のイメージを通して、企業や製品の信頼感を打ち出していくことも大切です。信頼感や安心感が閲覧者によく伝わるサイトでは、格段に実際の受注の可能性が高まります。顧客に持ってもらいたい企業イメージを打ち出す、これがブランディングを重視したサイトのあり方の基本となります。
一方、マーケティングを重視したサイトでは、より顧客のニーズに応えていくことが求められます。例えば、見込み客が探している情報を提供したり、その利用状況が運営者側からでも把握できるようなサイトです。どこの、誰が、どんな内容を調べているのかを追跡することで、見込み客のおかれた状況や具体的な人物像がイメージしやすくなります。
ここでは、アクセス数、資料のダウンロード状況などが企業側から客観的に分析でき、見込み客の課題解決をすることで、購買意欲を高められるサイトが必要とされています。最近の傾向では、マーケティングを重視したサイトの方がニーズが高くなっています。
なお、製造業の場合は、課題解決の先行事例として「事例コンテンツ」の掲載も有効とされています。事例コンテンツは、課題解決のヒントとなるだけでなく、自社の実績を伝えることもできるので、結果、企業ブランディングにもつながります。情報の取り扱いにシビアな製造業ですが、上手にマーケティングを取り入れることで、飛躍的な顧客開拓も見込めます。ブランディングかマーケティングか迷っている製造業のBtoB企業は、まずはマーケティング重視のサイトの構築に力を入れることがおすすめです。
Webサイトは作成するのがゴールではなく、公開してからがスタートです。というのも、ただ待っているだけでは、無数に存在する他のサイトの中に埋もれ、アクセスを集めることができないからです。サイトの存在を「知ってもらう」ために、メールを送ったり、検索順位をあげたりと、集客のためのさまざまな施策を行っていく必要があります。そのためには、データ分析や必要なツールの使い方を学んだり、日々の情報収集が欠かせません。Webサイトを作成したら、効果的かつ効率的な運用が必要になりますので、下記のような3つのポイントに留意すると良いでしょう。
1) Webサイトを簡単に管理しやすくする
2) マーケティングオートメーションを利用し、設定や管理をしやすく
3) チームで簡単に情報共有できるようにする
分かりやすく使いやすい設定で始めると、後々チームで情報共有がしやすいということです。
Webサイトは、会社案内やカタログのような営業ツールのひとつです。自社の存在や強みが、広く知られるようなサイト運用をしていきたいものです。
BtoBビジネスが主流の製造業では、ターゲットとなる顧客は企業です。それゆえ、他社と検討比較する際に、企業Webサイトを情報源として重要視している傾向があります。あるリサーチによると、BtoBの場合、66.6%が企業Webサイトを情報源として製品購入の検討しているというデータもあります。(トライベック・ブランド戦略研究所調べ)
つまりWebサイトが、企業における「営業職」のような役割を果たしているのです。
BtoCでは、購入の意思決定までのプロセスが多種多様で、最適な施策の見極めが難しいのですが、BtoBではまずは「自社のWebサイトを充実させること」に注力すれば良いということになります。
また、製造業の場合はWebサイトはあくまで入り口であり、それだけで受注が決まることはほぼありません。なぜなら、プロジェクトごとの予算も大きく、検討から生産、納品までのプロセスに長い時間がかかり、色々な担当者が関わるからです。つまり、Webサイトだけで顧客との契約締結ができると考えなくてもよく、むしろ「顧客が社内検討する際に必要な情報」や「信頼感につながる情報」を中心にWebサイトを構築していくことが良いでしょう。サイトを訪れた人が安心感や信頼感を醸成できるように、「企業ポリシー」「技術力」「独自のこだわり」「具体的なサービス内容」などを充実させることが有効です。そうすることで、他社との差別化ができると同時に、見込み客が「問い合わせをしてみよう」という動機付けになるのです。
5.製造業がWebマーケティングでやるべき手法
出典:Unsplash
それでは、製造業の企業が実際にWebマーケティングで行うべき手法について、順を追って見ていきましょう。
Webマーケティングには、さまざまな施策が伴います。それらを進めるうちに方向性を見失い、活動全体がブレてしまうというケースも起きがちです。「木を見て森を見ず」とならないように、Webマーケティングを始める際には、まずは全体像を整理してしっかりとした戦略を立てることが大切です。具体的には、Webマーケティングを行う目的、営業との連携、何をKPIとするか、それらを実現するための予算や必要なアクションなどを一通り書き出します。
BtoBの製造業であれば、最初のKPIは商談数の最大化となることが多いでしょう。受注を増やすためには、どのような流れで、そのような規模の案件の商談が必要となるのか目標と手段を明確化していきましょう。この全体像は、施策の途中でも立ち戻れるよう、目的をしっかりと見据えて構成していくことが大切です。
KPIとは、目標を達成するために、その達成度合いを計測するのに役立つ指標です。例えば、「売上」という目標を設定したら、「訪問件数」や「受注件数」といった指標を定期的に計測することで、どこまで目標に近づいているのか、達成度合いが可視化できるようになります。この場合は、受注件数が達成できれば、売上高や売上件数といった目標が達成できるでしょう。
さまざまな施策を行っていると、日々の業務に追われて視野が狭くなりがちです。当初の目標を都度認識する場として準備しておくと良いでしょう。
KPIは、目標を決め、それを達成するために必要なアクション(問い合わせ対応や商談など)をリストアップし、それぞれ具体的な数字を割り出していくことで設定することができます。
目標やKPIが決まったら、次はターゲットの選定をし、そのターゲット顧客を集客する方法を考えます。まずは、自社の製品やサービスを必要とするのは誰なのか、ターゲットを明確にしておくことが大切です。ここでターゲットをしっかりと把握しておかないと、後で効果測定が難しくなってしまいます。
ターゲットの定め方ですが、「ペルソナ」や「カスタマージャーニーマップ」という考え方を使って具体的にしていくのがおすすめです。どんな方法かというと、ターゲットの詳細な人物像を作り、受注に至るまでの「心理的な流れ」や「必要なコンテンツ」を具体化していくのです。
ターゲットの選定ができたら、次は集客です。ターゲットが「どこから」「どのように」流入してくるのか、仮説を立てて集客手段を決めていきます。仮説を立てる際は、できれば直接顧客にヒアリングすることが理想的です。
なお、BtoB製造業のようなニッチな業態では、Webマーケティングと親和性の高い他の業界と比べて、有効な集客手段があまり多いとはいえません。しかし、全くないわけではありません。今までオンラインへの参入があまり進んでいなかった業界だからこそのチャンスもあります。
次の章では、製造業と相性の良い集客方法もご紹介していきますので、自社にあったものを検討するのはいかがでしょうか。また、STEP 1で描いた、マーケティングの全体像に定期的に立ち戻り、個々の施策がブレていないか常に確認することも大切なポイントです。
SEO対策はなぜ大事なのでしょうか?
Webサイトへの集客を図るには色々な施策がありますが、BtoB 製造業のようにターゲットがニッチな場合、一般的な広告はあまり効率的ではないという側面があります。ただ、逆にいうと、競合もそこまで多くないということなので、検索順位でも上位を目指しやすいというメリットがあります。検索結果で上位に表示されれば、より多くのアクセスを集めることができ、集客につながります。このようなニッチな業界では特に、広告に費用をかけるよりも、SEO上位を目指すことの方が現実的といえるでしょう。
無数にコンテンツが存在する中で、SEOを活用すれば確度の高い見込み客との接点が持て、安定した集客が見込めます。SEO対策は、しっかりと理解すれば高い費用をかけずに行うこともできるので、製造業におけるWebマーケティングにおいて特におすすめしたい手法のひとつです。
記事コンテンツを上位表示させるためには、ユーザーに有益な情報を提供し、それを検索エンジンにも認識させることが大切です。書きたいことを書いたからといって必ずしも検索エンジンから有効な評価をもらえるわけではありません。ユーザーだけでなく、Googleに評価されるポイントもしっかりと理解した上で記事を作成していくことで、はじめて上位表示が狙えるようになるのです。
SEOに効果的な下記の5つの要素について理解しておくことが大切です。
順を追ってみていきましょう。
1.キーワード
SEOを意識したとき、キーワードはどのように扱うのが良いのでしょうか?
Googleのウェブマスター向けガイドラインには下記のような記述があります。
「ユーザーがサイトを検索するときに入力する可能性の高いキーワードを検討し、そのキーワードを実際にサイトに含めるようにします。」
つまり、検索ユーザーのニーズを満たす情報がGoogleに評価される仕組みです。検索エンジンは、記事に書かれたテキストを手掛かりにして、コンテンツの内容がキーワードと関連しているかどうかを判断します。キーワードが含まれているコンテンツは、ユーザーからも「わかりやすい」と判断されやすく、クリック率アップにも影響します。
なお、SEO効果を狙いたいからといって、キーワードを詰め込みすぎた不自然な文章では、ユーザーが「わかりずらい」「読みにくい」といった不快感を受けてしまいます。このような不快感を与えるコンテンツは、検索結果が下降したり、場合によってはペナルティとして検索結果に表示されなくなってしまうこともあるので注意が必要です。
キーワードをタイトルや見出しのできるだけ前方に入れたり、キーワードを文章全体に散りばめながらも、自然で読みやすい文章を心がけるようにしましょう。
2.共起語
共起語とは、そのキーワードと一緒に使われることが多い単語のことを指します。つまり、キーワードとの関連性が強く、同時に出現する頻度の高い単語です。Googleは、コンテンツに使われている単語をもとに、その内容を把握し評価しています。
コンテンツに共起語が使われていると、網羅性や専門性に長けている有益な内容だと判断されやすくなります。逆に、どんなに読みやすい内容であっても、コンテンツに共起語が不足していると有益な内容だと判断されないのです。共起語は上手に利用することで、SEO効果が見込めます。
ただ、キーワードと同様に、共起語を使う際にも、無理に詰め込んだ不自然な文章にならないようにしましょう。共起語は検索ツールを使えば、簡単に調べることができます。
参考サイト:共起語検索
3.独自性
SEOを成功させるためには、独自性の高いオリジナルコンテンツであるかどうかも大切です。Googleは、既存コンテンツにはない独自の情報で構成されているコンテンツをより高く評価します。
独自性として、特に評価が高いのは一次情報とよばれる自ら体験して得た情報、調査・実験で得た情報や、オリジナルの画像や動画などになります。
他にはないオリジナリティの高いコンテンツは、ユーザーに有益として検索結果の上位に表示される傾向がある点もSEOを実施する際に覚えておきたいポイントです。
4.E-A-T
E-A-Tとは、「Expertise(専門性)」「Authoritativeness(権威性)」「Trustworthiness(信頼性)」のそれぞれの頭文字をとったもので、Googleが高品質なコンテンツかどうかを判断するための「ページ品質評価の最重要項目」とされているものです。
そのコンテンツが何かの専門性に長けていることです。社会的な地位や資格というよりは、どれだけそのジャンルに特化し、専門知識の「量」と「質」が高いかが重視されます。
そのコンテンツの内容について、「誰がその情報を語っているのか」を重視することです。
例えば、一般の人による医療記事よりも、医師の書いたコンテンツの方が権威性があると判断され、評価されるということです。
ユーザーにとって信用度の高い「情報」「Webサイト」「運営者」かどうかということです。運営者情報やプロフィールの充実度などから、そのWebサイト運営者や掲載内容が信頼できるかどうか評価されます。
その他にも、コンテンツを検索上位に表示させるためには、さまざまなコツが必要となりますが、ページの内部対策も大切な施策のひとつです。閲覧者というお客様が訪れた時、案内がしやすいように「家 = Webサイト」を整えておくといえばイメージがしやすいでしょうか。様々なデバイスでも見やすいようにモバイル表示対応をさせたり、画像は重くなりすぎないようにする、といった対策がそれにあたります。
以上を通していえることは、「ユーザーファースト」の視点が大切ということです。
SEO上位を目指す上で、どんなキーワードを選ぶかということは非常に重要です。せっかく良質なコンテンツを作っても、そのキーワードに検索ニーズがなければサイトの集客につながらないからです。
BtoBのニッチなニーズで検索されることの多い製造業では、コツを掴めばSEO上位が狙いやすいので、ユーザーの検索意図に応えるキーワードを選定していけば、アクセスを増やすことができます。ここでは、初心者でもSEO上位が狙いやすいキーワード選定のコツをご紹介します。
まずは、ターゲットとなるペルソナが知りたい情報をイメージし、検索しそうなキーワード候補を出していきます。SEOキーワードとして適切かどうかは後のステップでチェックするので、まずは思いついたありとあらゆるキーワード候補をリストアップしていけば大丈夫です。
BtoB製造業の場合、一見、技術情報を調べているだけのように見えても、実はその技術を提供している業者を探していたり、ニッチな用途や目的を求めて検索をしている人も多くいます。実際の顧客からの相談内容や、Q&Aサイトに掲載されている情報などをもとに、自社に有効なキーワードを洗い出します。
リストの準備ができたら、実際にGoogleでそのキーワードを検索し、結果を比較していきます。どんな内容が上位に来ているか、その結果を見れば、ユーザーの検索意図のイメージがつかみやすくなります。
次に、いくつかのツールを使って、キーワード候補を絞り込んでいきます。
① 関連キーワード取得ツールを使って、サジェストワードを検索
② Googleキーワードプランナーを使って、検索ボリューム(検索された回数)をリサーチ
上記の2つのツールを使えば、どのようなキーワードに検索ニーズがあるかわかります。
続いて、検索ボリュームが判明したそれぞれのサジェストキーワードを分類し、優先度を決めていきます。候補キーワードの検索ボリュームが多過ぎず、少な過ぎないものを選んでいきます。
なぜかというと、検索ボリュームが極端に少ないものは、上位は取りやすいがアクセス数が少なく、検索ボリュームが大きすぎるものは、競合サイトが多く上位を取るのが難しいためです。
これでコンテンツを作成する準備が整いました。選定したキーワードを元にコンテンツを作成していきます。基本は、1つのキーワードに対して1つの記事です。
Webマーケティングでは、その企業独自の「強み」の発信が重要です。強みとは、他社よりも優れている独自の技術力や製品のスペック、またマーケットシェアや価格面などまで含まれます。
発注を検討している担当者は、Webサイトに掲載されている情報を元に、発注候補かどうか検討・精査していますので、情報源である「コンテンツ制作」は非常に大切です。
特にBtoB製造業では受注はWeb上だけでは完結せず、問い合わせを受けた後の対応によって、実際に受注できるかが決まります。見込み客がサイトを訪れた後、受注の入り口である「問い合わせ」につながるような魅力あるコンテンツを発信していくことが必要です。
製造業のWebマーケティングにおいて、まず目指すべきなのは「問い合わせの獲得」だということがわかりました。その流れをつくり出すには「事例コンテンツ」の掲載が有効です。発注を検討している見込み客の多くが、その企業が具体的にどのような技術力や対応力を持っているのか知りたがっています。どんなに技術力の優れた企業でも、実際の事例がわかるコンテンツがないと、見込み客が問い合わせというアクションを起こすまでの説得力に欠けてしまいます。
それでは、上手な事例コンテンツとはどんなものでしょうか?それは、見込み客が問い合わせをしたいと思えるようなコンテンツである必要があります。
一般的に企業の担当者は、加工図面に記載されている技術情報をもとに検索し、そこから加工事例へ辿りつきます。そういった検索フローを考えると、自社のコンテンツを制作する際にも、加工図面に記載されているような「部品名」「加工方法」「素材名」などの具体的な技術情報を盛り込んでいくことが、SEOにも効果的といえます。
加工事例の写真もちろん大切なのですが、検索エンジンは文字情報を元にコンテンツを評価しているため、写真だけのコンテンツはSEOの観点からは弱いものとなってしまいます。見込み客が検索するであろう言葉もうまく取り込み、文字情報もしっかりと掲載することが集客アップにつながります。
事例コンテンツは、作成に労力がかかり、効果が出るまでの時間もかかるのですが、パーツや性能などを細かく具体的に掲載することによって、その企業の技術力の発信や見込み客からの信頼獲得にもつながる製造業向きの施策です。
事例コンテンツの他にも製品のスペックや特徴がわかるカタログを準備しておくことも大切です。国内だけでなく、海外をターゲットとする企業では特に、国際的な展示会の開催見込みもなかなか立たず、見込み顧客との接点が大幅に減少している状況です。Web上で集客し、製品情報が充実したカタログのダウンロードできるようにしておけば、直接会うことが難しい見込み客へも効果的にアプローチすることができます。直接往来することが難しいターゲット層へ向けても具体的な情報発信ができ、企業の信頼を獲得することにもつながります。また、カタログをダウンロードした見込み客のデータを分析することで、これまで見込み度合いに関わらず一律して行っていた商談も、確度を高くしていくことができるのです。
リスティング広告
リスティング広告とは、検索されたキーワードに関連した広告を表示する手法です。製造業では、検索されるのは特殊でニッチなキーワードが多いため、すでになんらかの興味を持っている人に対して広告を表示できるリスティング広告は効率がよいと言えます。また、能動的に探している人にピンポイントでアプローチするため、成約率も高い傾向にあります。
リスティング広告は、基本的には掲載料は無料で、クリックされてはじめて課金されるシステムです。ですので、広告予算を取りずらい製造業にもおすすめといえます。また、リスティング広告を設定する際、リターゲティング広告も一緒に設定できるので、こちらも合わせて検討しても良いでしょう。リターゲティング広告とは、サイトに訪れたことのあるユーザーを記憶し、その後もバナー画像広告を出して追いかける仕組みです。
リスティング広告を出す際のキーワードの設定方法ですが、SEOの場合は「1ページに対して1キーワード」が基本ですが、リスティング広告では「複数のキーワードを設定してニーズを網羅する」というスタンスになります。キーワードの選定には、キーワードプランナーなどといったツールを活用すれば、簡単にキーワードの選定ができます。選定のコツは、まずは軸となるキーワードを決め、ツールを利用しながら関連するキーワード候補をリストアップし、自社のビジネスに無関係であったり不要なものを除外することです。
展示会で入手した顧客リストへのメールマーケティング
展示会で入手した顧客リストへ、メールマーケティングを行っていくことも、顧客獲得の観点から非常に大切な施策となります。メールマーケティングとは、見込み客にメールを配信し、さまざまなコンテンツを提供することで、問い合わせや購買などの新たな行動を促すコミュニケーション型のマーケティング手法です。
なお、メルマガでは見込み客の属性に関わらず、全員に一律して同じ内容のメールを同時配信します。対して、メールマーケティングでは見込み客を分類し、それぞれの属性に適した内容とタイミングでメールを配信することが特徴です。メルマガよりもきめ細く、それぞれの見込み客のニーズに合ったコンテンツの配信が可能です。また、郵送式のダイレクトメールよりも圧倒的に低コスト・短期間で配信できることもメリットです。印刷や配送の手配なく、1回の配信で数十~数十万人へ向けたメッセージを送ることができます。分散化した見込み顧客のニーズに合わせて、適切なタイミングや内容でメール配信を人の手だけで行うのはなかなか難しいので、マーケティングツールやソフトウェアなどの活用も効果的です。
専門サイトへの掲載
製造業に特化した専門サイトがあります。最もメジャーなものは「イプロスものづくり」で、製造業における製品・サービス・技術情報が集結しています。ここに出稿すれば、すでに製造業分野で何らかの情報を求めている閲覧会員に効果的にアプローチすることができます。従来の製造業における一般的なアプローチは、フィジカルな展示会出展を通して見込み客との接点を増やすというものでした。製造業に特化した専門サイトを活用すれば、回遊している見込み客をキャッチでき、自社の認知度を高められるというメリットがあります。
このようなサイトでは、製品カタログやデータなどの掲載も可能です。資料のダウンロードや問い合わせをした見込み客のデータを分析することによって、自社への興味の度合いも割り出すことができ、その後の営業につなげやすい側面もあります。
例えば、イプロスものづくりでは、基本的な情報掲載は無料で、その他の有料機能についても、フィジカルな展示会の出展に比べると圧倒的に低単価で始められます。予算が許すようであれば、サイトのトップページにバナー広告を掲載することもでき、効率的なPRも可能です。
参考サイト:
製品の価値を伝えるLP作成
ここまでに、広告や専門サイトの掲載を活用して見込み客を集客する方法をご紹介しました。次は、集客した見込み客が遷移するためのランディングページ(LP)の作成に着手しましょう。LPとは、自社サイトへ辿り着いた見込み客が、最終的に問い合わせをしたくなるような情報や根拠の掲載があり、その導線が1ページにまとまったもののことです。
企業サイトでは、その企業について、プレスリリースやニュース、見込み客が探したい分野以外の製品情報など、あらゆる角度からの情報が掲載されています。ただ、製品導入を検討している見込み客にとっては必要でない情報も混在しており、関係のないページに遷移してしまった結果「問い合わせ」に至らないケースも多くあります。問い合わせを動機づけるためには、情報の取捨選択が必要な状態です。
また、見込み客は、問い合わせをするまでに、他社との比較検討を行っていることが一般的です。その数は数社〜数十社になりますので、判断基準となる自社サイトに、製品情報だけしか掲載されていなければ、比較検討の段階を突破していくのはなかなか難しいでしょう。
LPは、1ページで営業のような役割を果たします。見込み客のニーズに応える解決策や根拠を凝縮して掲載し、問い合わせまでの導線をいくつも組み込むことで、狙ったターゲットへの訴求が実現します。見込み客が探している製品、その利用シーンや資料に加え、前向きな検討を後押しする「自社の強み」「技術力」などの総合的な打ち出しなどを一元的にしていきます。導線がしっかりとしているLPは、問い合わせの確率を向上させることができます。また、マーケティングに力を入れている製造業の企業はまだ数が少ないので、このような説得力のあるLPを作成すれば、一気に他社との差別化が図れることも大きなポイントです。
6. 他社のWEBマーケティング施策を探る方法
ここまで、自社サイトの効果的な運用方法をご紹介しましたが、せっかく良いコンテンツを作っても、競合他社が気づかないうちに自社よりも実績をあげているかもしれません。また、他社の成功事例を分析すれば、自社が抱える問題の改善のヒントが見つかることもありますので、他社の動向も定期的にチェックしておきたいものです。
ここでは、一見難しそうにも見える他社のWebマーケティング施策を分析する方法をご紹介します。
SimilarWebは、他社ホームページのアクセス状況がわかるツールです。Similar Webを使うと、アクセス数のほかに「参照元」や「検索キーワード」など、閲覧者の流入経路がわかるデータも見られます。さらに、競合が掲載しているWeb広告のクリエイティブ(テキストや画像など)を一括で見られる機能もあります。
使い方はいたって簡単で、調べたいサイトのURLを入力するだけ。訪問ユーザーの属性、訪問数、訪問数の推移、PVなど色々な解析データがわかる便利な無料ツールです。
また、競合他社の領域におけるキーワードで検索をかけ、他社のリスティング広告を分析する使い方もおすすめです。その広告アクセス情報を元に、どのようなキーワードが実際のコンバージョンにつながるのか、またどのようなクリエイティブで製品を紹介しているのかなど、具体的に把握することができます。
さまざまな方法で他社の動向が分析できることが分かりましたが、Webマーケティングを始めたばかりの企業には、ツールの使い方がよく分からなかったり、出てきたデータをどのように読み解けば良いのかアドバイスがほしいもの。そんな時には製造業の支援を行なっているマーケティング会社に問い合わせると良いでしょう。これらのマーケティング会社は、様々なマーケティング分野で実績を積んでいるので、自社に合ったアドバイスをくれるでしょう。自社の状況や予算に合ったマーケティング手法や参考となる成功事例を一緒に教えてくれるので、慣れないリサーチに時間をかけることなく、効率よく他社の動向を知ることができます。
参考企業:LIFE PEPPER
7. 製造業のWEBマーケティングに有益なツール
それでは、実際にWebマーケティングを行う際に便利なツールを紹介していきます。
海外に特化したBtoB向けWebマーケティング会社のLIFE PEPPERが提供する、製造業向けデジタルマーケティングツールです。使い方はシンプルで、自社の製品カタログをアップロードすると、その企業に合った海外顧客にデジタル広告が配信され、認知度アップと問い合わせの獲得につながるシステムです。このシステムでは、アップロードされたカタログ情報を元に、他言語での製品紹介ページや広告作成が行われます。また、LIFE PEPPERが有するオンライン商談獲得の成功事例に基づき、「広告配信設定の型」「広告文の型」「ランディングページの型」の切り口から効果的なアプローチを行っていきます。広告配信の後に問い合わせを獲得すると、リアルタイムに管理画面やメールで必要な情報が共有されるので、スピーディーに営業活動を開始することができます。海外市場におけるノウハウを持ち合わせた企業だからこその、確度の高い海外アプローチができることが特徴です。
URL: https://lp.lifepepper.co.jp/dotb
イスラエルの企業で開発された、他社サイトのアクセス状況などがわかるWeb解析ツールです。
通常は一般公開されていない、他社サイトのアクセス数や流入ワードなどが分かります。
基本的な機能は無料でも利用できますが、より精度の高い分析には有料ブラン(Similar Web Pro)もあります。
URL:https://www.similarweb.com/ja/
Google社が提供している、Web解析ツールです。無料なのに機能が充実しているため、世界中の多くの企業で使われていることでも有名です。自社が運営するWebサイトのアクセス数や流入経路、滞在時間などを解析・把握できます。また、何かキャンペーンを打ち出した際の、反響や効果も調べることができます。
URL: https://analytics.google.com
こちらもGoogle社が提供しているWeb解析ツールで、Google上での自社サイトの検索情報が分析できるツールです。無料で利用できます。同じWeb解析ツールであるGoogle Analyticsとの大きな違いは、GAはユーザーがサイト訪問後のデータを解析するのに対し、Google Search Consoleはサイト訪問前のデータがわかります。具体的には、サイト訪問前ユーザーがそのサイトにたどり着くまでの「検索ワード」「表示回数」「クリック数」などのデータです。これらのデータを総合的に分析することにより、SEOに効果を発揮します。
URL: https://search.google.com/search-console/about
イプロスものづくりは、株式会社イプロスが運営する、BtoB製造業に特化したデータベースサイトです。出展企業と閲覧会員をつなぐ、日本最大級のビジネスマッチングサイトです。製造業において、技術や製品を探す会員146万人以上が登録しており、出展企業は無料でも情報掲載ができます。カタログやサンプルソフトなどの登録機能を使って企業のPRをしたり、会員からの問い合わせを獲得することができます。一部有料の機能もありますが、顧客ターゲットがニッチな製造業の新規顧客開拓にも非常に役立つサイトです。
URL: https://www.ipros.jp
製造業に特化した、オンラインの営業・マーケティング支援ツールです。スキャンした名刺をデータ化してクラウド上で情報管理したり、その先にある顧客管理やマーケティング機能が利用できます。製造業における販促・営業活動を効率化し、一元的に管理できるクラウドサービスです。
URL: https://cloud.aperza.com
8. デジタルマーケティングで得た知見をオフラインに活かしていく方法
従来のBtoB製造業は、展示会への出展や業界新聞や専門誌への広告掲載などのオフラインの場で販促活動を行うことが主流でした。これらの手法は製造業界において現在も大変有効で、引き続き継続していくべき施策です。ただ、このような従来の施策は「担当者の勘」に頼った運用で、客観的な効果測定が難しかったことが問題点でした。
一方、デジタルマーケティングでは効果計測ができるので、得た情報をフィジカルな営業資料や対面営業にも反映させることで、メリットを最大化することができます。例えば、「どのクリエイティブが成果がでるか」「どのキーワードに反響が多いか」「資料ダウンロードの数」「購入に繋がった回数」などの情報をもとに、もっとも見込み客に刺さる要素を実際の資料や営業方法に取り入れていくなどです。デジタルマーケティングでは自動で情報収集できるので、効率的に効果検証が進められます。
また、製造業の営業方法として、特に海外市場に向けたものでは販売代理店に販売を委託するケースが多く見られます。そのような代理店への委託を開始するまでに、自社の基本情報のすり合わせを行う手間や時間がかかることがありました。Webサイト上の情報を充実させ、ニーズに対する答えを事前に十分掲載しておくことで、このような販売代理店との一次問い合わせ対応を効率化し、スムーズに実際の業務を開始できるというメリットもあります。また、Webサイトはそれだけでも企業案内やカタログなどの営業ツールとなり得るので、しっかりとしたWebサイトを作成・更新していけば、それを使って販売代理店が営業を進めてくれるという利点もあります。
9.成功事例
出典:pixaby
ここでは、実際にWebマーケティングの導入に成功した製造業企業の先行事例をご紹介していきます。
株式会社シマテック既存の企業サイトやブログからの問い合わせはあったものの、なかなか実際の受注に繋がっていませんでした。そこでWebサイトを改善したところ、問い合わせが3.1倍増加しました。具体的には、受注に繋がらない要因を細かく分析し、Webコンテンツを改善したのです。自社の強みである技術力の高さを紹介するYouTube動画や写真を活用して、一般の人にも理解しやすくすることで、新規顧客からの問い合わせや、一部上場などの大手企業からの受注が増加しました。売上は前年比1.7倍、1億円を突破しました。
豊田通商株式会社では、米国でトップシェアを誇る超大型シーリングファンの輸入販売を開始したものの、日本での商品認知度がほぼなく、実売にはなかなか繋げられていませんでした。そこで、製造業に特化したマッチングサイトの利用を開始しました。今まで手作業で見込み顧客に送っていた製品カタログを、データ化しサイトへ掲載。これまでは見込み度合いが不明なまま、問い合わせ客を実際に訪問して情報収集せざるをえなかったのですが、資料をダウンロードした見込み客を分析することで、確度の高い営業ができるようになりました。2014年の導入以降、毎年1.5倍ずつ売上がアップし続けています。その後もサイトの閲覧数や売上の成長が続いています。
フィジカル展示会の集客に伸び悩み、来場者のニーズを把握が課題だった日本電産マシンツール株式会社(旧:三菱重工工作機械)は、Webセミナーを活用してこれらの課題を解決しました。同社は、Webセミナーを開催し、その中で展示会への出展告知やアンケートを収集することで、来場者数の改善と見込み顧客の来場動機の両方を把握できるようになりました。Webセミナー参加者の80%が、実際のフィジカル展示会に来場するようになったといいます。また、セミナー後に収集したアンケートの内容を分析し、検討度合いの高いセミナー参加者向けに商談ブースを用意し、展示会当日により確度の高い営業へつなげられるようになりました。
株式会社 昭和技研興では、LIFE PEPPER社が提供するwebマーケティングサービスを通じて、「検索広告」を導入しました。そして運用開始から6ヶ月で商談単価1万円以下を実現、安定的に商談を獲得できるようになりました。商談単価は、検索広告導入前と比べて1/7に抑えられています。実際のお問い合わせインサイトの分析や毎月詳細なキーワード精査を行うことで、展示会出展などと比べて遥かに低い水準にすることができました。また、検索広告導入と同時に、商談を完全オンライン化し業務の効率化も推進しています。
コロナ禍で中止を余儀なくされた展示会をオンラインへ移行し、株式会社 LIXILでは以前の1/4以下のコストで海外商談を獲得しました。LIFE PEPPER社を通じて、展示会における顧客行動を細かく分析し、商談にいたるまでのプロセスを5ステップに分け、DXを実施しました。LIXIL社では、Webマーケティング導入後、単月で十数件を越える良質な商談獲得を実現しています。他言語サイトの製作、検索広告への掲載、リード獲得広告などへも積極的に取り組むことで、より広く、多くの見込み顧客へのアプローチができるようになりました。
明治時代に創業された興和株式会社では、LIFE PEPPER社を通じて、初めてWebマーケティングを導入しました。Webマーケティングや海外進出に関するノウハウの豊富なLIFE PEPPER社の支援で、開始4ヶ月でリード60件以上の獲得を実現しました。ランディングページの制作からリスティング広告、LinkedIn広告を含めた幅広いWebマーケティング施策を総合的に行うことで、世界各国からのリードも多数獲得することに成功しています。
10. おすすめの書籍やnote
出典:pixaby
BtoB製造業がやるべきたったひとつのデジタルマーケティング手法
日経クロステック
技術の森
沈黙のWebマーケティング
世界基準で学べる エッセンシャル・デジタルマーケティング
まとめ
製造業のWebマーケティングは、その業界の特殊性から、参入が少し難しく感じられる部分もあるかもしれません。ただ、すでに先行して導入している企業の成功事例からもわかるように、大きな成果につなげるヒントも多くあります。現在は、Webマーケティングを取り入れている製造業の企業はまだ数少ないかもしれません。しかし、他の業界がそうであったように、Webマーケティングの普及がますます広がっていくでしょう。時代の変化を読み解き、いち早く時代の流れにあった手法を取り入れていくことで、新たな可能性を見出し、競争の激しい市場でも成長を続けることができるでしょう。
この記事が役に立ったら友達にシェアしよう!